79 友達勧誘 ページ35
その後、八百万は悔しそうなどこか自信なさげに反省点を述べた。
しかし相澤先生は八百万の作戦を称賛した。
「ああ、本当に時間さえあれば……だ。ありがとな」
「お前の作戦のお陰で勝てたんやから。頼りになったよ。」
「――――っ！」
くるりと俺たちに背を向けて、口に手を抑える八百万。
「どうした…？気持ち悪いか？吐き気には足の甲のツボが…」
「なんでもなりませんわ！」
「もし咳が出そうなら肘の裏にある尺沢ってとこにツボがあるんやけど……」
「本当になっ…なんでもなりませんわ！」
震えてる肩に若干の鼻声。
彼女が泣いていることには気づいた(焦凍は気づいていない)が、それは気づいていないふりをした。
「はぁ……」
疲労で腰を下ろすと八百万を心配していた焦凍がこちらによってきた。
「Aも体調悪いのか？」
「俺は別に。」
「運んでやろうか？」
「いや、遠慮しとく。……つーか此方寄ってくんな！」
ジリジリ近付いてくる焦凍から距離をとる。
「無理すんな。個性同時発動したんだから。リカバリーガールのとこに早く…」
「おいッ、しつこい！」
「昔同時発動して吹雪が止まらなくなって泣いてただろ。それがトラウマに……」
「なっとらんわ！さりげなく人の黒歴史を暴露すんなや。」
「取り敢えず保健室に行くぞ！」
「……なんで運び方がお姫様抱っこやねん！背負うとか他にも方法あるやろ。」
「お前女みてーに華奢だな。もう少し太った方がいいぞ。」
「喧嘩売っとんか。つーかはよ下ろせ。」
「フフッ。」
「「！」」
いつもみたいに焦凍と喧嘩していると先ほどまで泣いていた八百万が笑っていた。
「すみません。お二人とも普段は静かですのにいつもそうやって言い合いをされているのですか？」
「ああ、焦凍友達おらんからいつも俺が相手しとるんよ。」
「俺にだって友達ぐらいいる。どっちかというとAの方が友達少ねぇ。」
「はっ？俺には―――――」
「なら、私と“友達”になりませんか？」
そう言うと彼女は真っ直ぐに俺を見つめる。
……………友達
本来自分は高校にあがってからそんなもの不要だと思っていた。しかし今回の授業で気づいた。“一人”より“仲間”と行動した方が自分は成長することができた。
焦凍の言う通り仲間は不要ではなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 480人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
AOI３(プロフ) - 星の桜さん» 嬉しすぎます…… (2019年7月25日 18時) (
レス) id: e5bf353bab (このIDを非表示/違反報告)
星の桜(プロフ) - AOI３さん» なので私は文才も語彙力も創作力もあるAOI３さんを崇める事にします← では長話失礼しました！ﾄﾞﾛﾝ!(影から見守る人) (2019年7月25日 8時) (レス) id: d8fdca1aee (このIDを非表示/違反報告)
AOI３(プロフ) - 星の桜さん» ちょっと分かるかもしれない………そんなに雪宮君を好きになってもらってとてもありがたいです！ (2019年7月24日 19時) (レス) id: e5bf353bab (このIDを非表示/違反報告)
星の桜(プロフ) - AOI３さん» や、だって...抱き締めたくないですか？？？？無いはずの母性本能が疼く() (2019年7月24日 18時) (レス) id: d8fdca1aee (このIDを非表示/違反報告)
AOI３(プロフ) - 青葉さん» 雪宮君以上にもしかして歪んでますか？(@￣□￣@;)！！もし何か気になる点があればご指摘ください！出来る限り直します！ (2019年7月24日 18時) (レス) id: e5bf353bab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：AOI 3
| 作成日時：2019年6月14日 22時
