不眠症 (和) 6 ページ30
雅side
あれから一度も起きずに朝を迎えた。
この状態で働けるかな…。
いや、和なら「大丈夫」って言うだろうね。
そう思ったけど、逆に地雷踏んじゃったみたい。
呼吸を乱して「ごめんなさい」って何度も何度も…。
和「んっ、く、ぁ、はぁ、ふ、はっ…」
雅「ん、ごめん、ごめんね?
大丈夫だから、しっかり呼吸して?」
和「や、ごめっ、なさ…」
雅「大丈夫、だいじょーぶ…」
何があったか分からないけど、
この様子だと病院が原因ってことだよね?
殴られても蹴られても抱き着いていれば
自然と力が抜けていって落ち着いてきた。
雅「ってー」
和「…めんなさい、ま、にぃ…」
雅「あひゃ、大丈夫だって。もう、謝らないの！笑
今日は、病院お休みしようね。
潤が帰ってくるから、お利口に待ってて?」
こくこくと頷いたから、それ以上は何も言わなかった。
また、激しく泣かれても困っちゃうし和の負担も大きいもんね。
ここは、智にぃとか翔にぃに任せてサポートに回ろう。
雅「よしっ、朝食食べよっ。お腹ペコペコ〜」
おいでって手を引いてあげれば、腰に顔をうずくめてる。
当然、こんな形でリビングに行けば「どうしたの?」って顔で見てくる２人(笑)
翔「かぁーずー。こっちきなー」
翔にぃの所に連れていけば、俺から手を離し翔にぃの元へ。
なんか、寂しいような悲しいような…(笑)
翔「目ぇ、真っ赤だなー」
和の相手を任せ、智にぃに事情を説明。
すれば、智にぃは薄々気付いてたみたい。
そっか、患者さんがね…。
そりゃ、精神的にも苦しくなるわけだ…。
智「雅紀もちょうど学会入ってたし
同じ科でも気付くことはあんまりないよ…」
「今は、和の思うがままにさせてあげよう。
ここが踏んどきだから…」
悔しいけど、どうにも治せない子どもはたくさんいる。
その担当がたまたま和だったってだけ。
智「和なら乗り越えられるよ」
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作者名：櫻@宮
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/hp/
作成日時：2015年2月2日 7時
