終身刑で償う覚悟【黒尾鉄朗】

Guilt#02 ページ4

｢｢｢おつかれっした！！！｣｣｣



鉄の終礼に選手たちの声が上乗せされる



本日の練習も終わった
さて、鉄はどういった行動をとるかな？




―――楽しんでるのかって?





そりゃもちろん
こんな楽しいことはないでしょ




弧爪｢なにがもちろんなの」

貴方｢ひっ・・・研磨・・・」



あぁいや別に鉄を許したわけじゃないよ？



貴方｢なーんでもない」

弧爪｢・・・クロ?」

貴方｢だからなんでもないよ？」

弧爪｢A、嘘付くとき、髪弄る」



研磨の指摘に体が硬直する
え、嘘でしょ？
目を泳がせればふんわり表情を崩す研磨



弧爪｢嘘だよ、カマかけてみただけ」

貴方｢け、研磨!!!」

弧爪｢で、クロがなにしたの」




そんなやわらかい表情も一瞬だけ。
すぐいつもの真面目な顔に戻った彼




め、目敏い・・・!



本当に人のことをよく見ている
何故か感心してしまった。




貴方｢・・・まぁ、なんていうか浮気？」

弧爪｢・・・え?」

貴方｢昨日の練習オフの日に鉄、ミス音駒と手を繋いでたのよ」




信じられない、とでも言いたげな顔をする研磨
信じられないのは私の方だっての




弧爪｢え、いや、でも」



クロは―――――。



そこまで言いかけてやめた研磨
何でやめるのよ。
そう思ったのもつかの間、その意味を知る





黒尾｢疲れた・・・」




ぐぎゅう、と力の籠る背中
鉄が抱き着いてきた



黒尾｢研磨、何勝手にA盗ってんだよ」

弧爪｢・・・別に」



なるほど、鉄がいたのか。
そんなに声の大きくない私たちが小さな声で話していたから聞こえていないはず




黒尾｢帰るぞA」

貴方｢あぁ、うん。鉄今日鍵当番じゃなかったっけ?」

黒尾｢山本がうるせーからやらせてきた」




悪びれる様子無く山本の所為にする鉄朗
うるさいってなにそれ


吹きそうになるも落ち着かせて研磨を見れば



"帰ったら連絡ちょうだい"




そんな目で訴えかけていたから
鉄に見えないように頷く





黒尾｢じゃーな研磨」

弧爪｢・・・・うん、また明日ね」




大きく手を振る鉄朗に小さく手を振る研磨



黒尾｢行くぞ」



(あれ、これ研磨巻き込んでよかったのかな)

Guilt#03→←Guilt#01

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す