検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:7,680 hit

page3 ページ3

「お邪魔します」

ゲームセンターで音ゲー以外のほぼ全てのゲームに惨敗したあと、私はキヨに連れられてキヨの家にお邪魔することになった。

キヨは一人暮らしで大学に行きながらバイトして生活しているらしい。

(もしかすると私あまりキヨのこと知らない…)

悶々と考えているうちにキヨの部屋に着いたらしくキヨが鞄から鍵を取り出していた。

「狭くて悪ぃな。上がって上がって」

男の人の家になんか入ったことがないから、ついつい周りを見渡してしまう。
小綺麗に片付いていて、あまり物がない。
「その辺に座って」、と言われたので私はテレビの正面のこたつに座った。

「お茶でいい?俺コーヒーとか紅茶あんま飲まなくて」
「知ってるよ、そんな気使わなくてもいいのに」
「いやなんか緊張するなって」

お茶とお菓子を持ったキヨが、私の隣に座る。
こたつと言ってもそんなに広くはないためかなり狭い。

「なんで横に座るの」
「恋人同士じゃん」

こうなるとてこでも動かない。
キヨのしつこさはあの1ヶ月でもう学習していた。

「キヨの足って冷たいよね」
「おう、いつも人間ゆたんぽ助かってました」

同じベッドで寝ていた時、キヨの足がとても冷たくて驚いたものだ。
キヨは「お前あったかいな、丁度いいわ」とよくくっついてきたが。

「私、キヨのこともっと知りたい」
「お?」
「なんていうかその…1ヶ月一緒にいたのにあまりキヨのことちゃんと知らないのかなって…今日一緒にいて思っちゃって」
「なんか聞きたいことある?」
「そう言われるとあんまり思いつかないんだけど…」
「これからずっと一緒にいるんだから気になったことがあればその都度聞けばいいだろ」
「うん、そうだ…」

今、なんか物凄い言葉を聞いた気がする。
キヨは特に気にした素振りもないから意図があった訳ではないのだろうと判断し、私は首を縦に振った。

「じゃあ俺が質問していい?」
「うん、どうぞ」
「今日ご飯食べて帰る?」
「あー多分大丈夫。お母さん遅いから」
「俺のこと好き?」
「……………うん」
「今日泊まってくよな?」
「何言ってるの?」
「チッ」

page4→←page2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
66人がお気に入り
設定タグ:キヨ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年12月26日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。