かくれんぼ２

最悪な状況 ページ35

北人:「ねえ、これって…」








北人君が何かを言いかけたところで放送が流れた









〈7日間のかくれんぼお疲れ様でした。只今の生き残りは4人です。これでは、鬼と逃走者の決着がついていないので、延長戦に持ち込みたいと思います。明日、一日丸々かくれんぼをしてもらいます。明日の結果で勝敗を決めます。では、引き続き明日も頑張ってください。〉









とてもあっさりとした声で流れた放送



その所要時間は15秒前後だったと思う



でも、私たちにとっては、15秒なんかでは納得出来ない内容が沢山詰め込まれすぎていた









萩花:「延長戦ってなに？」


北人:「そんなん聞いてねえよ…」


夏恋:「この4人だけで殺し合えってこと！？そんなの無理だってば！」


萩花:「落ち着いて夏恋」


夏恋:「落ち着いて？じゃあお姉ちゃんは姉妹で殺し合えって言われてすぐ納得できる！？」


萩花:「それは…」


夏恋:「ああ。でも、お姉ちゃんは私のこと嫌いだから納得できるか。直接手を下すわけじゃないし。私なんかが死んだって…」


萩花:「二度とそんな事言うな。…夏恋を嫌いなんて思ったことないから。嫌いだったら何年間も一緒に踊ってなんかないよ。好きだから怒っちゃうし、好きだから喧嘩もしちゃうけど…私はお姉ちゃんとして、妹の夏恋が好きなの。」


夏恋:「お姉ちゃん…」









よかった。


このふたりもきっと大丈夫。



生きる道がないわけじゃないから、きっと4人で生き残る方法はあると思うの。



どんなに時間がかかっても、私はみんなで助かる方に賭けてみたい









北人:「休もう。って言いたいところだけど、正直そんな時間はないから、ご飯を食べて明日の対策をしよう」


A:「うん。みんなで生き残る道を探そう」


萩花:「最悪な状況になった場合のことも考えよう」


夏恋:「最悪な状況ってなに？」


萩花:「最悪な状況は最悪な状況だよ」


夏恋:「はー？」









また言い争うんじゃないかって心配だったけど



夏恋ちゃんもそこは察したのか

そこまで深堀はしなかった



お姉ちゃんのこと、信じてあげてね





でも、萩花ちゃんが言ってた最悪な状況って、


どちらかの命を捨てざるを得なくなった時のことだよね？


誰かの命と誰かの命を天秤にかけるなんてこと私にはできない

きっと、他のみんなもできない



最悪な状況って本当に最悪だよ…









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