かくれんぼ

騙してごめんね ページ42

『え、ちょっと待って。なに？』


北人:「なにって…Aもちょっとは察してるんじゃないの？」


『…知らない』









分かってる。



きっと、さっきの事だよね





泣きながらきたから心配してくれてるんだろうな。




ほんとに北人くんは優しいよ。





優しすぎるよ








そんな北人くんに甘えすぎちゃって



頼ってばっかで


それなのに自分は何もしてあげられなくって





だから、ここで本当の事言ったらダメだと思う




北人くんはきっと犯人探しをしてくれる


仲間のために。



…私のために









『本当に何も無いの。』


北人:「ほんとに？嘘ついてない？」


『ついてないよ。…夏恋ちゃんが見つかって嬉しくて』


北人:「なんだ。そういうことなら早く言えよ。笑」


『なんか、まだ見つかってない人に失礼かなって思って…ごめんね。』


北人:「ううん。嬉し涙なら全然。」









…また一つ大事な人に嘘をついた。




これはいい嘘かな？



それとも悪い嘘かな？






きっと、秘密にしてたことがバレたら


北人くんは私にすごく怒ると思う。






それで捨てられても仕方ないよね…




仕方ないんだよ…。








それなのに、北人くんをなくしたくない。



なんてワガママな自分がどこかにいる







やだな。こんなの。







私ってこんなに自分のことコントロールできない人間だっけ？









…違う。これがきっと本性。





このゲームは、人を殺すだけじゃなくて



自分の本性もバレちゃうゲーム







それも、嫌なことばっかり顔を覗かせちゃうような。




こんな自分もうやだ。









『みんなのところに戻ろう。きっと怪しまれてる』


北人:「うん。そうだね。敵意識持たれないようにしないと」









北人くん、






騙してごめんね…




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