第70話 ページ23
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『…とまぁ、こんな感じ、です…』
「……」
悪党狩りの最中に出くわしてしまった事から
何度か川原で会ったこと、
鬼に襲われた時に助けてもらったけど八つ当たりしてしまった事、
そして、明日全てを打ち明けるつもりであることまで
全部説明した。
冨岡はほとんど表情を変えずに黙っていた。
「…俺は嘘をつかれたのか」
『あー…、そのことは、ごめん…』
それは多分最初に不死川に出会った時の話、治安の悪い町での出来事。
当時冨岡に、不死川と接触してないか聞かれたが、咄嗟に会ってないと嘘をついた。
そんなことあったなぁ。もはや懐かしい。
「まぁいい。それで、お前はどうしたいんだ」
『…不死川に謝りたい』
「わざわざ危険を冒すだけに思えるが」
『そうなんだけど…』
そう思うのも無理はないよね…。
だってこんなに嫌われてるんだもん。
『許してくれないと思う。もっと嫌われちゃうかもしれない。でもこれ以上騙し続けるのは無理だよ。
精一杯の誠意は見せたい。そうじゃないと…』
好きでいる資格すらなくなってしまう。
最後の一言は飲み込んだけど、冨岡はなんとなく察してしまったらしい。
「不死川は強いし優しいし、立派な人間だ。そんなところに惹かれたのだろう」
『…解説しないでよ恥ずかしい……』
「俺も、不死川には憧れを抱いている。いつか友達になれたらと思っているが、俺のような未熟者では相手にされないのも致し方ない」
『……ん?え?』
友達になりたかったんだ……
それに、俺のような未熟者って…
不死川と冨岡の間にも、盛大なすれ違いが生じている事を知ってしまった。
そのことに関しては、また後日だな…。
「不死川とうまくいくといいな」
『…ありがとう。
何から何まで、冨岡のおかげだったよ」
お礼を言うと、冨岡は驚いて目をパチクリさせた。
「…粗暴な態度しか取れないのかと思っていた。
(訳:貴方が優しく女性らしい本来の態度で接してくれて嬉しいです)」
『ほんとムカつく…!!』
またどうせ言葉選びミスってるんだろうけど。
『その話し方、直した方がいいよ。超腹立つから。
嫌われるよ』
「心外…!」
『まぁ、私は許してあげる。
……友達だからね』
冨岡は少し間を開けてから、ぱぁっと嬉しそうな顔をした。
私は鮭大根と同等になったらしい。
そう思ったら、自然と笑みが溢れた。
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れみ(プロフ) - 華花。さん» 華花。様はじめまして!コメントありがとうございます!とても嬉しいです…!続編でも頑張りますのでこれからも呼んでいただけると嬉しいです!! (2021年11月3日 15時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - Royal×Edenさん» いつも感想ありがとうございます!続編でもまた会えるのを楽しみにしてますね! (2021年11月3日 15時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。れみ様の書かれる言葉の一つ一つが物凄く好きです!お忙しいとは思いますが、体調にお気をつけて更新頑張ってくださいね。続編も楽しみにしております! (2021年11月2日 21時) (レス) @page49 id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - 柚葉さん» ありがとうございます!実弥たくさん出せるように頑張りますね!!また続編でお会いしましょう〜! (2021年11月2日 0時) (レス) id: c2e31f4a0e (このIDを非表示/違反報告)
Royal×Eden - れみさん» れみさんこんばんはRoyal×Edenです!!夜中までお仕事お疲れ様です。最近は余り仕事の続きやらワクチン接種で感想が遅れて大変御迷惑をかけてしまいました(´д`|||)いよいよ第三章に入りますが一体ヒロインはどうなるのか気になってきます(^w^)♪ (2021年11月1日 19時) (レス) @page49 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れみ | 作成日時:2021年4月21日 19時