【銀魂】沖田隊長、おはようございます【沖田総悟】

認めてない ページ34

下らない言い争いはここまでにしておいて、私は彼の傍に座り掛け布団越しに横たわる彼の身体を揺らしてみる。けれど彼はそんなことではびくともしない。そんなことは分かりきっていることだ。沖田隊長がこの程度で起きてくれるのなら苦労はしない。それでもこの身体を揺さぶる行動をやめないのは、出来るならこの時点で大人しく諦めて起きてほしいからである。こんなんじゃ彼は動き出してくれないとは思っていても、朝から下手に体力を使いたくはない。身体を揺するだけで起きてくれたなら、私はもう少し穏やかに朝を過ごすことができるし、その後に待ち構えている仕事にもその疲労を持ち越すことはない。だから一縷の希望にすがるように毎朝めげずにその行動を繰り返す訳なのだけれど、それが叶ったことなんてそうそうない。

いつになったら私は人型目覚ましを引退できるのだろうと思いながら。きっとまだそれは遠く遠く先の話なのだろうなと思いながら、立ち上がっては沖田隊長を覆い隠している掛け布団を掴み上げ彼から引き剥がそうと試みる。

が、沖田隊長もそう簡単に負けてはくれない。離れていこうとする掛け布団を内側から掴み返し、自身から離そうとしない。掛け布団が破れんばかりの攻防戦が今日も始まった。


「沖田隊長！！布団が破けますよ！！離してください！！」

「お前が離せばいいだろィ、これは俺の布団だ俺が手を離す理由はねェ」

「ありますよ理由！！朝だからです！！」

「朝だなんざ俺は認めてねェ」

「屁理屈言わない！！」


ぐぬぬぬ……と、テンプレートすぎる声を漏らしながら何とか奮闘するも、沖田隊長は頑なに布団を離そうとしない。いつものことながら、なんてしぶとさなんだろう。

疲れてきたので一度力を腕から抜き、溜め息をつきながらに言う。


「昨日も言いましたけど、今日は会議があるんですよ。沖田隊長が退院してから初の！！」

「だからなんでィ」

「気を引き締めてくださいと言っているんです！昨日言いましたけどね！？」


その話を覚えているのかそれともいないのか、分からないけれどどちらにしても沖田隊長は「そんなこと知らねェ」というテンションなのだろう。私の目の前に広がるこの現状が何よりの証拠である。


「まったく……沖田隊長、いい加減にしないと…」

「分かった」


と。そろそろ何かしら彼が起きざるを得ないことをしてやろうと思っていれば、彼は掛け布団からやっと顔を出して呟く。

朝定番のシチュエーション→←確かに。

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