薔薇喰蝕 ページ7
主治医「お加減はいかがでしょうか。」
『だいぶよくなりました。』
主治医「そうですか…。」
江口「あの…彼女が倒れた原因は何だったんですか?」
主治医「今からお話しします。
…ハッキリと言いますと江口さんの心臓に異常が見つかりました。」
『…ねぇえぐ、これフラグ回収の予感?』
江口「A、本当に黙って。…先生どういうことでしょうか。」
主治医「江口さんの心臓に薔薇の模様がありました。
病名は【薔薇喰蝕】と言います。、現在世界に生存患者は38人しかおらず、
日本では初めての症例の病気になります。」
『…んーっと。生存患者はっていうと亡くなられた方がいらっしゃるんですね。』
主治医「はい。」
江口「…」
『…余命の平均とかあります?』
江口「Aっ!先生、治す方法あるんですよね!?」
主治医「現代の医療でこの病気を治すことは…出来ません」
江口「どうして!」
『落ち着いてよえぐ...』
江口「なんで…Aは落ち着いてられるんだよ…
死んじゃうんだぞ!?もう僕と…みんなと会えなくなるんだぞ!?」
『は...?そんなの…。わかってるに決まってんじゃん!
怖いし、落ち着いていられるわけないでしょ!
私だって…もっと…みんなと一緒にっ、、、』
Aが本当に落ち着いているわけが無かった。
死ぬかもしれないという恐怖の中で冷静に打開策はないかと心を押し殺して考えていたのだ。
彼女だって怖くて怖くて堪らなかった。
自分が愛する人を置いて死んでしまうのかもしれないのだから。
江口「っ!
ごめん。つらいのはAだよな。
本当にごめん。」
『私こそごめんなさい。』
主治医「...先ほどの質問ですが個人で大きく変わってくるため、、、」
『分からないという事ですね。』
江口「症状は…」
主治医「症状が進んでくると嘔吐や呼吸困難など…。」
『薬とか...ないですよね。』
主治医「…はい」
『分かりました。薔薇喰蝕を説明した書類貰っていっても?』
主治医「勿論です。」
『あと、退院しても大丈夫ですか?』
江口「A!?」
『だって入院してても仕方ないじゃん。治んないし。私は仕事したい。』
主治医「緊急用の薬を処方しておきます。」
『はい。えぐ、大丈夫。私頑張って生きるからさ!』
江口「A...分かった。でも絶対無理はしないで。」
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作者名:巴瑞季&ロイド | 作成日時:2018年12月14日 13時