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収穫ありよりのあり ページ39

「……あ、今までは何考えて引いてたんですか?スランプの前」


『あ〜、お〜………お〜…』


「…引く前とか」


『引く前………頑張るぞ〜とか、気合い入れてる』


「じゃあ引いてる時はどうですか?」


『あ〜………ん〜』





引いてる時何考えてたっけな

いや〜集中してたんですかねぇ

まっったく思い出せない





「んー、射法八節、1つずつ考えてみますか」


『おっけドンと来い』





んで答えていったんだけど


足踏み…気合い入れる

胴造り…何か考えてるはずだけど覚えてない

弓構え…?

打起し…?

引分け…?

会 …?

離れ…中る時は「中るな〜」 中らない時は「中らんな〜」

残心 …「やっぱりな〜」→ちょっと思いに浸ってからリセット





「胴造り…いや、弓構えから会までが全くわからない状態ってことですね」


『ん〜、離れからははっきり覚えてるんだけどな〜』


「離れ……矢を離した瞬間ですか?それとも離れの途中からですか?」


『多分離した瞬間だと思う。そっから意識ハッキリしてるもん』


「意識って……弓引いてる時意識ないんですか?」


『ちょ、そんなゾンビ見るみたいな目やめてくれます??』





失礼しちゃいますわ

集中力がすごいって言って欲しいもんよ





「あ……………いや」


『どした湊くん、なんでもいいから言っておくれ〜』


「あ、いや、何も考えてない可能性…とか」


「無我の境地…ってこと?」


「無我の境地かはわからないけどさ、先輩って弓を引いてる時の集中力って凄いし」





無我の境地っすか

私そんな大層なもんはないと思ってるんだけども!!!





「でも離れからは意識あるよ?途中まで無我?ってこと?」


「え、うーん、俺もわかんないけど、多分?」


『不完全な無我の境地?あるかな〜?』





なんかちょっとかっこ悪いな???

考えてることも相まってかっこ悪い

うん





「…まあでも、考えすぎるのもよくないですよ。

無我の境地かは分からないにしても、何も考えてないって可能性は充分ありますし」


『うん、収穫あり!3人とも掃除中なのにありがと!

マサさんに練習参加させてあげられないか聞いてみるわ!』


「っ!ありがとうございます!」


『いーえ』





収穫ありよりのありってか

ガチガチのありじゃない?

きゃ、後輩優秀〜

見落としあり→←後輩がいい子って話



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作者名:ペン太郎 | 作成日時:2023年2月11日 0時

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