sweet time【文スト】【新旧双黒】

中原中也×靴 ページ8

今日は、同盟組織との会食がある。首領と幹部、
その幹部補佐が出席しなければならないので、
私は、中也の補佐なので参加することになった。



私は会食なので、ヒールの靴を履くことにした。


5センチほどの比較的低いヒールだが、
普段ヒールなんて履かないので、慣れていないから歩きづらい。








「お、着替えたか…」



「え、なんか変かな？」








私はシンプルな紺のワンピースに、白くて細いベルトをして、上からカーディガンを羽織っている。

肩にあたるか当たらないかくらいの長さの
髪は、若干巻いた。

中也に貰ったパールのネックレスもつけた。









「…いや、可愛いなって」



「！！！////」








ほんと、すぐ私を甘やかすんだから。


二人で会場に向い、会食パーティーは始まった。









〜〜〜〜〜〜〜






会食パーティーは思いのほか盛り上がり、
終盤となった頃、


靴ズレで足が痛くて、
私はベランダに出て1人、夜風に当たっていた。

夜風は心地よくて、月がとても綺麗で、
都会なのに穏やかだった。







すると、






「んっ…！？」



私は腕と口に違和感を感じた。



腕は掴まれて、口は抑えられている。



知らない男の人に。









「んんっ、」




叫んでも声は抑えつけられる。






『黙れ、大人しくしないと殺す』







私は怖くて、泣きそうになっていた。







すると、
男は突然パタリと倒れた。







後ろには、血塗れたナイフを持った中也。









「ちゅ、や」





私は何が起こったのかもよく分からなくて、
その場にへたり込んでしまった。





「おい、大丈夫か、」





中也は慌ててナイフを床に放り投げて、
私の元に駆け寄ってしゃがみ込んだ。









「御免な、隠してて。あの組織は俺達の部下の仇だ。」




「…へ？」









そういえば…最近沢山部下が亡くなったって聞いた。抗争があって、犠牲者が多かったらしい。


この会食はそういう意味だったのか。









「まぁホントのこと言ったら、手前嘘つくの下手だから…敵にバレかねなかったしな」



「も、もぉ…！」



「現に、ほら足、靴ズレしてんだろ。バレバレだ。痛かったから外出たんだろ、一人になるなよ…」




「…！！」









やはり貴方には嘘はつけない。








靴ズレの傷にキスを落とした中也は、
静寂に包まれた会場を私を抱いて後にした。

太宰+中也×ハロウィン→←太宰治×花

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