sweet time【文スト】【新旧双黒】

太宰治×猫 ページ3

久しぶりのデート中。


治さんの足に一匹の猫が擦り寄ってきた。




綺麗な黒猫だけど、首輪をしていない。
飼い猫じゃないのかな？







「可愛いねぇ」




そう言うと彼は猫を抱き上げて、

頭を撫でた。


猫は気持ちよさそうに、ゴロゴロと鳴いた。









「持って帰ろうか！」



「アホなこと言わないでください」



「ちぇー」



「私も猫は好きだけど…拾った猫ちゃんはもしかしたら飼い猫かも知れないでしょう？」



「ま、そだね。綺麗な猫だしねぇ」







治さんは猫をそっと地面におろして、


私達は再び歩き始めた。









「……気配がする」



「ん？気配？」








そういった治さんはばっと振り向いて、


すると、そこには先程の猫が。








「着いてきてる！！！」



「ええ…」



「愛おしいねぇ君」








治さんはしゃがみ込んで
再びその猫を撫で始めた。




すると猫は突然、どこかへ行ってしまった。








「あーりゃりゃ」



「何かあったんですかね？」



「さぁね〜、猫様の考えることはわからないね」



「そうですね」






ふふっ、と笑いあって、また歩き始める。








「いやぁ、それにしても可愛らしい猫だった」



「可愛かったですね」



「君にそっくりだったよ」



「は！？」



「最初は割とデレてくれるのに突然ツンツンしちゃうとこ」



「なっ…///」









余計なお世話だ。




あんの黒猫め…！←









なんて思っていると、頭に違和感を感じた。

しなやかな治さんの指。






頭を撫でられていると気づいた。







「こうやって撫でてあげると、気持ちよさそうにするところもね」



「む、むぅ…」



「ありり？ご機嫌ナナメかなぁ」









よーしよーし、と

治さんは私の頭を撫で続けた。






頭を撫でられるのが好きで、特にこの人の
しなやかな指は心地が良い。


少しふにゃりと笑ってしまった。







「お、デレた」



「デレてません！！！」



「ふふ、かーわいいねぇ」








治さんのバカ。すーぐ私をからかうんだから。









すると、治さんの足にまた先程の猫が。







「こうやって最後は私にデレてくれる所もそっくりじゃあないか」



そう言うと、


治さんは私に軽くキスを落とした。









…何も言えなかったのが悔しかった。←

中原中也×ソファ→←中原中也×傘

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