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朝目覚めると目の前にはスーツに着替える菊田がいた
｢おはようございます。｣
上半身をあげると急いで目を背けて挨拶をする
菊｢おう、起きたか。いくらおっさんの見苦しい体だからって後ろ向くなよ｣
菊田は笑いながらAに近づく。
｢男の上半身くらい見れるようになっとけ｣
Aの顎に手を添えぐるんと振り向かせると少し唇を上げてそう言った
｢別に他の人だったら見れますよ！｣
Aはそう言って目を見つめる
菊田は頭を搔くと小さく、そうかい とだけ言って部屋を出る
菊｢行こう。ノラ坊が待ってるかもしれん｣
｢はい！あれ、でも午後からでは？｣
菊｢そのつもりだったが明け方に第一師団団長に報告したら、候補生たちの訓練係から降りて任務に集中するように言われた｣
｢え？何時に起きたんです？｣
菊｢早起きしたわけじゃない、寝てないだけだ｣
｢やっぱり床だと寝れませんでした！？｣
菊｢馬鹿言え。軍人がそんなんでどうする｣
｢たしかに。でも今日はベッドで寝てくださいね｣
菊｢そこまで気遣われるほど老いちゃないぜ｣
そうですか、と言いながら口を尖らせるAの目には隣で熱くなる顔を片手で隠す菊田の様子など映らない
｢あれ！佐一だ！ほんとにもういるー｣
そう言うとやーっ！と杉本の背中に飛びかかり、
そのまま首に手を回し、ずしーっとのしかかる
杉｢おうなんだ、午後からじゃなかったか？｣
急に抱きつくAを拒まずに見上げる杉本
菊｢そういうのをやめろって｣
菊田はそう言うと後ろの襟を掴むとぐいっと杉本から引き離す
｢はーい、てか佐一ももういるんじゃん。一丁前に午後からとか言っちゃってさ｣
杉｢俺はやることねえんだ。菊田さん、今日は何を？｣
菊｢そうさなあ、ノラ坊お前は今から坊主になる｣
そんな一言で始まった杉本の坊主作戦。
杉｢おいA後ろの方少し残ってるぞ。仕事が荒いやつだな｣
｢わかってるってー、今からやるから｣
すっかりお互いを名前で呼び合う2人を菊田は仏頂面で眺めていた
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作者名：百 | 作成日時：2024年1月24日 0時
