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菊田は眉を顰める
菊｢そうか、行こうノラ坊｣
｢冗談ですよ！Aって呼んでください｣
機嫌を損ねてしまったような気がして焦ったAは、颯爽と出ていく菊田の腕を掴む
菊｢もちろん、初めからそのつもりだが？A｣
やられた。本当によく分からないなこの人
早く尾形に会わなければり
なんとなく心が弾んでしまったことにうしろめたい気持ちを感じながらそう決心した
菊｢ノラ坊、明日は昼にここに来てくれ｣
杉｢わかりました。メシ、ありがとうございました。Aも。じゃあな｣
｢うん。また明日｣
明日はきっとこいつ丸刈りにされるんだなぁと思いつつ杉本に別れを告げた。
菊｢じゃあA、俺たちはまだ話すことが沢山あるからな。さっさと帰ろう｣
｢はーい｣
菊田に着いて陸軍士官学校へと足を進める
｢菊田軍曹殿！お疲れ様です！｣
｢お疲れ様です！ ってお前は朝の！｣
Aを指さしながら言う候補生
菊｢ああ、しばらく俺と一緒に行動することになった｣
｢わかりました！｣
物分りがいい。というか、この人は本当に慕われてるな
菊｢さすがにまだ歳若いのに横で寝るわけにはいかん｣
部屋に着くと菊田はベッドのシーツの部分を取り床に運ぶ
菊｢俺は、こっちで寝るがその前に色々話してもらうことがあるからとりあえずそこに腰かけてくれ｣
ベッドを指さす。Aは言う通りにして静かに座り口を開く
｢何を、話しましょうか｣
菊｢まずはAがこの世界に来た目的だ。自分ではわからんみたいだが何となく思い浮かぶことはあるんじゃないか？｣
｢そうですね、私は人を好きになったことがなくて。｣
急にそんなことを言うAに菊田は少し驚いたがそれでも目を見てじっくりと次の言葉を待つ。
｢初めて好きになった人がこの世界の人だったんです。でもその人は最後まで苦しんで、その、亡くなってしまうんです。最終的には。｣
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作者名：百 | 作成日時：2024年1月24日 0時
