【金カム】祝福された道 (ページ5)

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｢菊田軍曹殿！｣

Aが聞くのと、候補生が突然入ってきて話し出すのが同時で菊田には届かなかった

｢あの、男が候補生10人以上相手に大暴れしております！！｣

杉元だ！Aは思わず頬が緩んだ

今思えばとんでもない出会い方だったな、この2人は

菊｢そうか、行こう。嬢ちゃんも？｣

｢はい！行きます！｣

そう言うと知らせてきた男について行く2人

しかし道中でAは不味い、と思った

杉元が菊田に懐いたのはこの堂々としていてどこかいつも優しげな人柄のおかげでもあるが、

何よりもあの茶碗に盛られた米ではないか！

｢菊田さん！これ！持ってきますね！｣

そう言うと出会い頭に菊田が持ってきて机に置いてあった茶碗をかかげた。

菊｢なんだぁ？腹減ってんのか｣

菊田は振り向きながらそう言ったが走る足を止めなかった。

｢あれです菊田軍曹殿！｣

見てみるとそこには大勢の男たちに取り押さえられた杉元佐一がいた。

Aは頬を緩ませる程度では済まず、今度こそ吹き出してしまった

菊｢おい、離れろ。陸軍の候補生ともあろうもんが公衆の面前でみっともないな｣

しまった！Aは思わず眉間に皺を寄せた

このシーンは口の下に米をつけている菊田さんがとってもキュートなシーンなのに！！悔しすぎる。

杉｢ヴァ！ヴァ！！｣

杉元は菊田とAに向かって威嚇している

Aは黙って菊田に茶碗を押し付ける

菊田は先程の表情豊かな姿を一切感じさせないほど微動だにせずに受け取る

そして威嚇し続けてる杉元と少し見つめ合うと、

おもむろに茶碗を差し出した

菊｢よしよし腹減ってたか。｣

杉元はモソモソとご飯を食べ始めた

菊｢候補生10人以上相手に大暴れしてるって言うから、どんな鬼かと思ったら、、

ちょうどいいかもしれん...｣

菊｢こいつは俺が連れていくぞ｣

｢え？はい｣

菊｢おい坊主！メシ食わしてやるついてこい｣

困惑する候補生を置いて歩き出す菊田。

Aも急いで着いていくと

人が押しあっている食堂に着いた

菊｢ここな...安くて不味いけど量は多い｣

菊田と杉元は何とか座れたが、

Aは腹も空いていなかったし座れなかったので

菊田の後ろに壁にもたれ掛かるようにして立っていた。

出された食事にがっつきながらも菊田は口を開く