【金カム】祝福された道 (ページ23)

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｢ごめんなさい！もたれてたんですか？｣

尾｢もういい、俺は訓練に行く。お前も出てけ｣

｢はい、｣

しょぼしょぼと出てくるAを振り返り尾形は鼻で笑う

尾｢俺が戻るまでにそのヒョロついた体、銃を持てるくらいにはしとけよ｣

｢銃くらい持てますよ！｣

Aは叫んだが、その頃にはもう尾形は歩き出していた

｢あの、｣

Aが部屋に入ろうとしたところで兵士の1人が話しかけてきた

｢あなたはなぜ兄様の部屋から出てきたのですか？｣

兄様、ということは花沢勇作だ...

｢はじめまして！私は赤西Aと申します。訳あって第七師団と行動を共にすることになり、尾形さんには銃を教えてもらっております｣

勇｢これは失礼致しました。鶴見中尉からあなたのことはお聞きしています。そうですか、兄様に銃を...｣

｢はい、なんだか嬉しそうですね？｣

勇作｢はい、実は兄様は簡単に心を開いてくれないのです。私には開いてくれなくても、誰かが救ってくれればそれでいいのです...だから兄様にとっての選択肢が増えるのは大変嬉しいことです！やはり1人で抱え込むというのは良くないことですから｣

｢なるほど、素敵な弟君ですね｣

勇｢いやいや、これからも兄様をよろしくお願いします。私が言えたことでは無いですが..｣

｢もちろん！任せてください｣

少しはにかみながら言う勇作殿に元気よく答える

あれは尾形がひねくれるのも無理は無いなあ、Aはベッドに座り込みながら苦笑いする

彼は頭からつま先までまさに恵まれた人間、という感じだ。つまり見た目も良ければ中身さえも目が眩むほど真っ直ぐに光り輝いている

いくら勇作殿だけが愛してくれたと言ってもあんなに違いがあれば素直に受け取れないだろう。尾形のような人間であれば尚更。