【金カム】祝福された道 (ページ20)

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尾形は銃を弄る手を止め、初めてこちらを見る

尾｢いや知らん｣

おや？不味いこれは聞いてなかったみたいだ

｢え？｣

尾｢鶴見中尉はただ、この世界にお前の愛する人がいるとだけ言った。それに守ることと治すことしかできんお前に銃を教えろと
だから俺はさっきの男がそうなんだと思っていたが｣

｢ああ、菊田さんのことですか...｣

衝撃的な事実にそれしか言うことが出来ない

そしてサッと椅子を引き立ち上がる。

｢そうですか！そうですね！じゃあ銃を教えて欲しいです！｣

まだ本人には言わない方がいい。

こんなに早くから愛を知ってしまえば

それこそ尾形百之助という人物は簡単に違う方向に転がりかねない

尾｢まさかそこまで聞いといて俺には教えん気か？｣

尾形も立ち上がるとAを壁にじわじわと寄せていく

なんだか今日はよく壁に押し付けられるなあなどと考えていると両頬をぐっと思い切り掴まれ無理やり顔をあげさせられる

あまりの痛さに思わず手が出そうになるが

菊田とは比べ物にならないくらい加減を知らないその手を拒んではいけないような気がした

｢なんですか、｣

尾｢言えよ｣

｢いーやですー！｣

尾｢そうか、じゃあ銃は教えん｣

初めて強引な手を拒まれなかったからなのか、

なぜか少し機嫌が良さそうな顔をして尾形は手を離した。そして唇の端だけを少しあげる

尾｢教えて欲しけりゃお前が誰のためにいるのか言え。それができんきゃ精一杯俺に尽くせ｣

そう言うとまた椅子に座り銃をクルクルと回す

とんでもないことを言っている、そう思ったがここにきてやっと本領発揮という感じでもある

もとより尾形を救うために来たのだ

このくらいで離れると思ってもらっちゃ困る

｢精一杯あなたのために尽くさせていただきますよ｣