【金カム】祝福された道 (ページ19)

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ドクンと心臓が跳ねる音がする

ずっと暗闇に隠れていた尾形の顔を見た瞬間、Aは確信した

やはり私の心はずっとこの人に向かうんだ。今までもこれからも

鶴｢さあさあ後は2人で話すといい！3人は私と一緒に食事をしようではないか！｣

そう言われ鶴見中尉に背中を押されたと思えばすぐに扉が閉まった

2人はどちらからともなく椅子に腰をかけると正面に向き合った

だがそれも一瞬のことで、尾形はすぐに銃を点検し始めた

少し、驚いた。私が知っている尾形百之助はこんな状況になれば

“異世界からやってきた救世主が俺なんかに一体何の用だい？”

みたいな自虐なのか何なのかよく分からない嫌味を言うところだろう

もちろん、自分の頭を撫でるようにしながら。

だけど今の尾形にはそんな風に撫で上げる髪の毛どころか、軽口を叩く気力すらないようだ

諦めてAは口を開いた

｢私のことはどこまで聞きましたか？｣

尾｢宇佐美と月島軍曹も知っていることで言うなら陳腐な小説にでも出てきそうなバカげた能力が使えること、お前が俺たちとは違う世界から来たことだ。どうやらお前の世界では俺たちは物語の中の人物だと？｣

Aはそれを一気に言ってのける尾形にびっくりしつつも、
やっと尾形らしさが出てきたなと頬を緩ませた

しかし、いくら尾形の前と言えど阿呆にはなりきれないもので

｢じゃあ宇佐美と月島が知らないことだと？｣

と口を出す

尾｢はは、どうやら力の持ち腐れってわけでもないみたいだな。なかなか頭が回ってるじゃないか

そうだな、お前がこの世界に来た目的だ。｣

これは、予想外だった。

確かに私は鶴見中尉にこの世界に愛する人がいるので助けに来ました！

などと言ってしまったがまさか本人に言われるとは。

というか、尾形だけに言ったということは鶴見中尉はもう私が誰のために存在しているのかわかっているということだ。

まあでもきっとこれが未来を変えることには繋がらない

私は予め鶴見中尉に誰のすることも変えるつもりはない、ただ救える人を救うだけだ、という意図を伝えてある。

それを覆してくるほど頭が悪い人では無いからな、鶴見中尉は

｢なるほど、じゃあ私が誰のためにここにいるか知っているということですか？｣