【金カム】祝福された道 (ページ15)

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｢おう、起きたか｣

Aが目を開けるとやはり着替えをしている最中の菊田がいた

｢おはようございます｣

そう言うとAはベッドの下から着物のようなものを取り出した

菊｢おい、なんだそれ。ってかどこから出した？｣

｢着物です。ベッドの下からです｣

菊｢なんでそんなもん持ってる？｣

｢菊田さんがこの前佐一に宿の紹介しに行ったじゃないですか。
その時外で待ってたら男2人組に声をかけられて、良い服を着ていたので着物をくれれば着いて行くって言ったらくれました｣

菊｢なんてことしてんだお前｣

淡々と話すAに信じられないという顔をする菊田

｢ちょうど菊田さんが出てきたので着物だけ持って逃げたんです頭良いでしょう？｣

菊｢はぁ、今回は良かったがそういうことは二度とするな｣

｢はーい、菊田さんの前ではしません！｣

ったく、菊田は呆れたようにそう言うとAの頭をグリグリと押さえつけた

菊｢それで？なんで着物着る必要がある｣

｢人に会う用事があるので？｣

菊｢誰にだ？｣

｢菊田軍曹殿！！｣

菊｢ノックしろよ！！！｣

突然入ってきた候補生に菊田は叫ぶ

｢申し訳ありません！第一師団長からお呼び出しがありました！｣

菊｢わかった、すぐ行く。A、お前はそこにいろ｣

｢気をつけてくださいねー！｣

Aは敢えて返事をせず、そう言った

私の予想が正しければ、今日は菊田さんが第七師団に転属になって尾形とも会う日だ。

そうともなれば一刻も早く鶴見中尉に会う準備をしておかなければならない。