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｢ん？｣
帰ろうとすると杉元に呼び止められた
杉｢菊田さん、明日は午後からでも大丈夫ですか？ちょっとAと話したいことがあるもんで｣
菊｢ああ？いや、すまんが全部終わってからにしてもらえるか？出来れば1日かけて仕上げたいんでな｣
杉｢そうすか、すみません呼び止めて。Aも｣
｢うん、頑張ろう明日も。じゃあね佐一！｣
杉本はああ、とだけ言うとすぐに帰っていった
｢菊田さん！ほんとに1日かける必要あるんですか？｣
帰り道でAは菊田の腕を掴んで話しかける
菊｢いや、無いな｣
｢え、じゃあなんでですか？｣
菊｢そうだなヒントはここにあるぜ｣
そう言うとAに掴まれている腕と反対の手でAの手を掴む
｢なんですか？｣
菊｢男と2人にさせるには距離が近すぎる。何があるかわからんからな｣
淡々と述べる菊田の横でAは疑問が止まらない、という顔をしていた
菊｢さ、着いたぞ｣
悶々と考えているとすぐに菊田の部屋に着いてしまった
｢あ、今日は菊田さんがベッドですからね｣
菊｢何？お前が床で寝れるって言うのか？｣
｢馬鹿にしてます？寝れますよ、多分｣
菊｢多分って、｣
困ったようにして頭を搔く菊田にAは、あ！っと叫んだ
菊｢なんだ？｣
｢わかりました！一緒に寝ればいいんです！｣
菊｢なにを｣
｢馬鹿なことじゃないですよ！これ受け入れてくれなきゃ明日佐一と2人で出掛けちゃいますからね｣
そう言いながら菊田の腕をぐいっと引っ張った
菊｢わかったよ、寄ってくれ｣
やっとのことで了承してくれた菊田にAはわーいと言うと布団を引っ張り2人に掛ける
菊｢なあ、俺のことはいつまで菊田さんって呼ぶつもりだ？｣
布団の中で肘をつきながらAを見つめる
｢え？なんて呼んで欲しいんですか？｣
菊｢なんでもいいが、自分は下の名前で呼ばせておいて俺のことは名字で呼ぶなんておかしいだろう｣
呼ばせてって、私は名字で呼ぶように言ったんだけど？とAは思ったが口には出さなかった
｢嫌ですよー、私にそんなこと求めないでください？｣
菊｢ああそうかい、おやすみな｣
菊田は眉を上げてAの頭をコツンと叩くと反対側を向いてしまった
｢おやすみなさい、杢太郎さん｣
その一言で菊田は、今夜も寝れないな とため息をついた
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作者名：百 | 作成日時：2024年1月24日 0時
