【ソードアート・オンライン】紅の騎士part4

事後報告 ページ35

それを見たアルゴは目を見開く、ついでにここが現実なら額に汗が滲み出そうなくらいギョッとしている

無理もない、アルゴも少なからず彼らを追っていたし数ヶ月ほど前にSAO内で久方ぶりに死者数が増加した原因でもあるのだ

そんなギルドの頭目がまさか攻略組に混ざってた、ましてや自分の親友とも呼べる人間だったのだ

「……それで、何人殺しタ？」

アルゴが数歩距離を取る

「殺してねぇとは言えないか、数人ラフコフのメンバーやっちまったしな」

思い返すと意外とあっけなかったと言えばいいのか、圧倒的なレベル差、《代償》のブーストが乗っていたとは言え、プレイヤーがあんな簡単に死んでしまうと何処かでまだ生き返っているんじゃないかと思ってしまう

そのくらいこの世界では、人の命があっさりと消えてしまうものなのだと嫌でも再認識させられる

「信じてくれとは言わないし、言い訳にしかならないが、あいつらが活動し始めたのはカナデがあの仮面を、いや身体を乗っ取られてからなんだ。それまではあいつらも良い奴だったかと聞かれたら分からないが悪い奴ではなかったんだよ」

5層攻略後に、あの店の前で会ったあいつらは今考えると少し様子がおかしかった……様な気がする

「……その言葉に嘘はないナ？」

「あぁ、アクアに誓う」

右手をあげて左手を胸に添え宣誓する

そして、しばらくアルゴはこちらを睨み続け、1人で何かを口にしている

多分アルゴもこっちを信用しようとはしてくれているんだが中々腑に落ちないと言ったところだろうか

相手はあの『鼠』だ、自分が危険な状況に余り身を置きたくないなだろう
アルゴもそれを分かっているからこそ踏み込めないのだ

「β時代、俺があの人との誓いを破ったことあったか？」

だから、俺も納得たる理由をつける

「確かに、破ったら大変な目に遭いそうだもんナ‥‥」

あー、とアルゴは苦笑し表情が少し柔らかくなる

「まぁ、オイラも『信じる』より『信じたい』、裏切られた時はβ時代からのオマエらを見る目がオイラに無かったって事で信じてやるヨ」

手を差し伸べ、ニカっとアルゴは笑う

「ありがとう、って、うぉっ！」

俺もアルゴの方へ手を伸ばすと急に手首を掴まれ引っ張られる

「じゃ、狩りに行きますカ！」

「今からですか！？」

「どうせ圏内には居づらいダロ？」

「そーですけども！」

ニヒヒと笑うアルゴはごちそーさんと器用に空いてる手を動かして会計を済ませる

「さぁ！一狩り行こうゼ！！」

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