狂愛に溺れた女の断末魔【呪術廻戦】

愛情と殺意は紙一重 ページ2

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直哉様の指に力が入れば入るほど、私は上手く呼吸ができなくて、苦しい。直哉様の愉しそうな顔が涙で滲む。───お願いです、やめてください。
そう言いたくても声が出なくて、でも愛しい彼に殺められるのなら、それでも。


「なんてな、冗談や」


スッと首から手が離された。止まった空気が勢いよく身体に入ったせいで思い切り咽せた。そんな私を見た直哉様は甲高い笑い声を響かせる。そんな姿でさえ美しくて、愛おしかった。
殺されないのなら破談だろうか。

その方が嫌だな……。



「何や、えらい残念そうな顔して。そんなに俺に殺されたかった？」
「破談になるならそうしてください」
「…！ははっ、冗談や言うたやん。それに破談なんかせえへんよ」


恐る恐る顔を上げると、妖しく微笑んでいる直哉様と目が合う。虞を読み取って鳥肌が立った。気に入らない女は退けてきたはずなのに、そんな疑問を口から出るのを堪えて、次に発せられる言葉を待つ。


「Aちゃんの本性が俺の嫌いなタイプやったけど、べっぴんさんやし何より八方美人やもん♡そんな外向けの楽なおヨメさん手放すと思う？」


まあ、冷めには冷めたけど。

心臓が跳ね上がった。好きな人に「もうお前のことが好きじゃない」と言われることがこんなにも辛いと思わなくて、でも彼の側にまだいれるのなら何でもいい。



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