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「もう緋山先生、からかわない！」
「えぇーいいじゃん、今日おめでたい日なんだし」
ねぇ？と俺を見てくる緋山を、そうだそうだと藤川がさらにはやし立てる。
直後、彼の背中を白石の手が直撃したのだが。
「ははは…私着替えてくるね」
うまいこと退散したAを見送ると、同期たちがわらわらと周りに集まってくる。
「…で、何もらったの？」
────白石、お前もか。
渋々袋の中に手を入れる。
中身は割と小さくて、細長い何か。
取り出してみれば、丁寧に箱に入れられたそれは────黒とゴールドが上品に光る、PARKERのボールペン。
「相変わらずA、いい趣味してるわ」
「良かったね、藍沢先生」
「…あぁ」
あとで、きちんと礼を言おう。
箱からボールペンを取り出して、落とさないようにデスクのペン立てに差し込む。
胸ポケットに入れるのは、少々はばかられた。
落として傷なんて、つけたくなかった。
またひとつ、増えた思い出に笑みを浮かべて。
今日も仕事に取りかかる。
「秋が来たら私も歳とっちゃうね、いやだなぁ」
「…緋山達が怒るぞ」
「………それはもっといやだ」
エレベーターの中で顔を引きつらせたAに軽く笑うと、ドアが開いて新海と目が合う。
「あぁ藍沢、お前今日誕生日なんだってな？」
「…誰に聞いた」
「お前の後ろで、すげぇいい顔して笑ってる香坂に」
────ったく…。
「A…」
「いいじゃん、たまには」
にやりと、悪い大人の笑みを浮かべてくるものだからタチが悪い。
「プレゼント貰ったのか？」
「まぁな」
「でもそろそろネタ切れというか、一緒に買いに行った方が正確なんじゃないかと思ってきました」
Aは困ったように眉を寄せて笑うと、ちょうど目的の階にエレベーターが到着した。
「あ、私はここで」
「……じゃあ来年あたり、お前が誕生日プレゼントになってるかもな」
「…え、なっ何言って────」
────ガコン。
ドアが閉まる直前に見えたのは、初々しいほど頬を染めた、彼女の顔。
きっといまごろ、ドアの前で突っ立っているだろう。
「……新海」
「俺からの誕生日プレゼントだよ、来年は現実になってるといいな？」
────こいつは。
確信犯だと、心の底で大いに納得した。
どうか素敵な1年を。
そして、1年後の今日、隣にお前がいてくれることを。
少しくらい願っても、いいだろう────。
Let me wish you… -Fin-
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琴子(プロフ) - こちらの誤字。先日ボードにお願いした2のリクエスト訂正があります。樋山先生が藤川までとブチ切れる…の樋山。ではなく緋山です。返信不要。よろしくお願いします。また！ (2017年9月4日 16時) (
レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
kii - 白石先生のリクエスト叶えてくださりありがとうございました！本当に白石先生そのもので感動しました！ついに明日はコードブルー放送日ですね！緋山先生がどうなっちゃうのか…更新も楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: 7fea498993 (このIDを非表示/違反報告)
ayanel(プロフ) - たむ。さん» 訂正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2017年9月3日 18時) (レス) id: 61d33ebdb1 (このIDを非表示/違反報告)
たむ。(プロフ) - 次回予告、「感動」ではなく「感度」になってます!!! (2017年9月3日 18時) (レス) id: 2fb288b2c4 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 藍沢先生誕生日話面白かったです！( ^ω^ )生誕祭ですね♪ 来年も、絶対香坂先生は隣にいますよ♪ (2017年9月3日 15時) (レス) id: eeb5e94ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年8月29日 0時
