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(香坂)
灰谷先生の様子を見に私は1度男性の乗る白車へと歩みを進めた。
「おばあさんは腸管打出があって血圧も落ちてきてるから、私は一緒に救急車で翔北に向かう。
灰谷先生は、あの女性と翔北に向かって？」
「……この人は」
震える声でそう聞かれて、私は1度ぐっと目を閉じてから、眉を寄せて車内にいた隊員に声をかけた。
「……────翔北に運んで死亡確認をします。
医師は、同乗しません」
「…わかりました」
こんなこと、本当は言いたくない。
3人とも救って、帰りたい。
「まって…！
死亡確認って…っ、やだ…さっき手を動かしたって…！
先生！助けて…！」
涙を流しながら私に訴えてくる女性の元へ身体ごと向き直って近寄り、私は淡々と事実を告げる。
「やれるだけの手は尽くしました。
残念ですが、あの方は、助かりません」
いつもの私からすれば、その態度はフェローたちには冷酷だと思われたかもしれない。
けれど、そうしていないと。
ともすれば、私まで泣いてしまいそうだったから。
────こんな、ことって…。
「────灰谷先生、骨盤固定し直して搬送して！」
私の声は、沈みつつある夕方の空に、よく響いて消えていった。
自分の愛する女性を守り、旅立ったひとりの男性の魂とともに────。
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(藍沢×香坂)
────外科医を続けるなら賭けに勝ち続ける。
この言葉は、かつて私達の恩師であり、私の第2の父親である方から言われた言葉。
────たった一度の負けが人生をかえてしまうから。
俺達は、そう教わった。
────だが本当は違う。
────いまなら、その言葉が痛いほどよく分かる。
医者が負けて、その代償を払うのは。
────大体の場合患者だ。
────そして、失われるのは患者の人生だから。
医者の人生ではない。
────私は、失ったものが大きすぎたけれど。
支えてくれる人々が、仲間がいた。
一度、失いかけた
だから、どんなにつらい現場であっても。
どんな苦労が先に待っていたとしても。
医者としての自分を捨てることだけは────何があってもしたくないと、強く、つよく思うのだ。
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琴子(プロフ) - こちらの誤字。先日ボードにお願いした2のリクエスト訂正があります。樋山先生が藤川までとブチ切れる…の樋山。ではなく緋山です。返信不要。よろしくお願いします。また！ (2017年9月4日 16時) (
レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
kii - 白石先生のリクエスト叶えてくださりありがとうございました！本当に白石先生そのもので感動しました！ついに明日はコードブルー放送日ですね！緋山先生がどうなっちゃうのか…更新も楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: 7fea498993 (このIDを非表示/違反報告)
ayanel(プロフ) - たむ。さん» 訂正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2017年9月3日 18時) (レス) id: 61d33ebdb1 (このIDを非表示/違反報告)
たむ。(プロフ) - 次回予告、「感動」ではなく「感度」になってます!!! (2017年9月3日 18時) (レス) id: 2fb288b2c4 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 藍沢先生誕生日話面白かったです！( ^ω^ )生誕祭ですね♪ 来年も、絶対香坂先生は隣にいますよ♪ (2017年9月3日 15時) (レス) id: eeb5e94ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年8月29日 0時
