Important things than life．1 -命より大切なもの- ページ3
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(灰谷)
フェローの二人が来る前に、フライトの前に、なるべく心を落ち着かせておきたくて、いつもよりだいぶ早めに来てしまった。
どうせ誰もいないだろうと、救命救急医局のドアに手をかける。
鍵は、空いていた。
────こんな朝早くに、もう…？
先生方の誰かだろうか。
そろりと中を覗くけど、そこには誰もいない。
ただ換気のなされた室内には、毎日のように珈琲の香りが漂っている。
あの人が救命に戻ってきた日から、ずっと。
早朝のこの時間だけ、この部屋には珈琲の香りに包まれるのだ。
白石先生の隣、藍沢先生の右向かい。
今日もそこに、まだ飲み終わってからそう時間の経っていない、シンプルな白のマグカップがひとつ置かれている。
そう、今日のフライトは。
香坂先生が翔北に戻ってから初めてのフライトだ。
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(香坂)
救命に戻ってから、もうすぐ3週間が経とうとしている。
────恵ちゃんには申し訳ないことしちゃったな…。
本来、私は初療室に残ってドクターたちに指示を出す役目を担うサブリーダーだ。
フェローの指導には、耕作か恵ちゃんが当たるようになっている。
橘先生からの提案で、私はいつでもサポートで対応できるようにとのことで、初療室に残ることにしている。
今回、それを恵ちゃんと変わってもらったのは、たまには香坂も指導してみたらどうだという、彼の計らいによるものだった。
────正直言って、少し有難いと思えてしまう、なんて。
「………情けないなぁ」
顔を合わせるのが、それまでもなんとなく引けていた。
話してみると何のことないんだけど、その1歩が、どうしても怖くて。
この前あんなことがあったから────あの後のことはあまり記憶がないけれど、泣き疲れて眠ってしまったようで、美帆ちゃんに起こされて。
彼は、そばにいなかった。
それから、必要最低限の会話しかしなくなってしまった私たちの関係は。
7年前に、逆戻りしてしまったようだ。
「……あ、カンファレンス」
腕時計を確認して、私は慌てて身を翻した。
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あやみん - 名取先生が、自分に、恋したなんて、最高です!!!!! (2019年8月19日 12時) (
レス) id: ac50c68a33 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 16話、朝日は登りつつではなく朝日は昇りつつ、ではないでしょうか？ (2019年2月10日 15時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 14話、以外にも耕作だった。ではなく、意外にも耕作だった。ではないですか？ (2019年2月2日 21時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 13話冒頭、横峯さんではなく横峯ではないですか？意図されてでしたらすいません (2019年1月18日 22時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
rabbit - 32の下から9行目「手術中にに」となっています。間違っていたらごめんなさい。 (2018年10月6日 23時) (レス) id: fec1ec90ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2017年8月1日 0時
