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(藍沢)
覚醒しきらない聴覚が捉えたのは規則正しい機械音と、自分を呼ぶ小さなかすれた涙声。
夢をみていた。
あたたかくて、優しい夢の合間に聞こえる泣きそうな声に、応えなくてはと思ったのだ。
「…わかる…？」
薄茶の瞳いっぱいに涙をためて、やわらかく反射された光がなんとも美しい輝きを灯している。
「……おかえり、おかえり…」
目尻をきゅっと下げるあの泣き笑いの顔で何度も嬉しそうに繰り返すAに、俺は小さく頷いた。
────ただいま。
あぁ、動かない腕がこんなにももどかしいなど、これ以上思うことがあるだろうか────。
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(藤川)
溜まりに溜まった書類を片づけること3週間、香坂と藍沢が仕事を離れただけでこんなにもやることが増えるのかとパソコンの前で伸びをする。
が、橘先生に中庭で女性が胸の痛みを訴えているという急患を告げられ、なぜかはるかを連れて目的の場所に到着すると、ひとりの女性がうずくまっていた。
そばには報告を受けたとおり、緋山の姿もある。
「緋山どうした、心筋梗塞か？」
「いたたた…痛い痛い、お腹が痛い…」
苦しげにうめいた女性の傍らに膝をついた。
「胸じゃなかったのか、腹腔内出血？」
「大丈夫ですか…────え」
緋山に支えられていたのは、なんと白石だった。
どうなっているんだ、話がまったく見えない。
固まっている間にも、どんどん茶番劇は進んでいく。
「こ、これを…」
白石が抱えていた何かをはるかに渡す────その視線の先に見えたウエディングドレスに、いよいよ頭の思考回路は停止した。
「藤川、使え」
どこか懐かしいように感じる声とともに自分の顔の上に降ってきたのは、これまた真っ白なタキシード。
後ろには腕を組んだ藍沢と、その傍らに笑いながら何やらポーチを腕に抱えた香坂がいた。
「藍沢…香坂も…」
「早くしろ」
「ちょーっとはるちゃん借りるねぇ」
「いたたたた！」
「…白石、もういいかも」
未だに演技を続ける白石に冷ややかな目線を送る緋山の横で、香坂がはるかの背を押していく。
その周りでは救命のスタッフやフェロー達が何やら作業を進めていて────え、なんだこれ？
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ひな - めっちゃ面白くて最高です！お忙しいと思いますが更新楽しみにしてます！ (2月8日 19時) (
レス) @page42 id: 7bff09c70b (このIDを非表示/違反報告)
murasaki(プロフ) - 初めまして！1番最初から一気に読みました！更新楽しみにしてます (11月30日 21時) (レス) @page42 id: e474591311 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - season1、3を一気に読み、劇場版もあっという間に読んでしまいました。とても感動しました！更新楽しみに待ってます！ (2021年9月7日 22時) (レス) id: 247691cc0f (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています。更新停止のままですが更新されるのでしょうか？ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - とても大好きな作品で、思わず一気読みしてしまいました！更新頑張ってください！応援しています！ (2021年8月2日 8時) (レス) id: 44a0b6bd0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel | 作成日時：2018年11月29日 23時
