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(藍沢)

────ぱたり。



上腕部のIDに何かが当たった。



骨盤骨折の患者の止血のため、後腹膜パッキングを施していた俺は、その音に思わず処置を中断して天井を仰いだ。



「これ地下水か…?」



雪村もつられて上を見上げる。



それは徐々に早いペースとなって、俺達に降り注いでいる。



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(香坂)

「血圧114の76…戻りました、これで上に運べます」

「よし、お願いします」

「はい」



お疲れ、と声をかけてきた藤川先生に微笑み返したとき、ふと誰かの視線を感じて顔を上げる。



そこには、先ほど救急隊員に上に上げてもらうよう頼んだはずの男の子。



藤川先生も彼の存在に気がついていたのか、ぽんと私の肩に手を置いて促す。



「香坂、行ってやってくれ、お前の方が安心するだろうし」

「はい」



頷いて腰を上げたとき、鈍い痛みが首から腰にかけて走った。



「…、っ」



それを藤川先生に悟られないようにして、男の子の元へと歩みを進める。



目線を合わせるようにして膝を折り、頬についた泥を手袋を外した指でぬぐってやると、くしゃくしゃに顔をゆがめて、ぎゅっと首元に抱きついてきた。



「…っう、ママぁ…!」

「うん、怖かったね…一緒に上に行ってあげるから、もう大丈夫よ。

…よっ、と」



そのまま動こうとしない彼の背を叩いてあやしながら抱き上げた。



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(藍沢)

頭上から落ちる水の量はあっという間に増えて、小雨のように音を立てている。



これはいくら何でも多すぎると思い、俺はシーバーに手を添えた。



「白石、聞こえるか」

『何?』

「地下水か何か分からないが、天井から滲み出してる。

建設業者に問い合わ────、!」



問い合せてくれ、と言い終わる前に、それは起こった。



もろくなったトンネルの天井部分が瞬く間に割れ、土の塊が向こうで落ちてくるのが見える。



────身体は、考える間もなく動いていた。



負傷者の患部を自分の身体を呈して覆いかぶさるのと同時に、隣にいた雪村の背を押して頭を守る。



凄まじい轟音と衝撃のあとに、俺は心の中でこの場にはいない、彼女の名を叫んだ。

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作品ジャンル:恋愛
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りな(プロフ) - こんばんは。お疲れ様でした。ひと作品ひと作品大好きです。途中から来れなくなり、昨日残りを一気に読みした。涙なしでは読めませんでした。ayanelさんの作品が本当に大好きです!終わってしまいましたが今後のseason1や番外編も楽しみです!更新頑張ってください。 (11月21日 1時) (レス) id: 68a6b7d888 (このIDを非表示/違反報告)
Appppppppple - 最初から最後まで読み始めたら止まらなくて、すごく好きです!主人公の波乱展開や次々と起こっていく奇跡に思わず涙をこぼしながら読ませていただきました。耕作との恋愛もじれったいけど思いあってるのが伝わってきてとても素敵でした!これからも頑張って下さい! (10月23日 18時) (レス) id: d7af8c4e34 (このIDを非表示/違反報告)
iz. - 初めまして。主人公の設定、ストーリー共に素敵でした。読んでいく内に吸い込まれまるで、そこに居るかのようでした。コード・ブルー初めて読んでこの作品に出会い嬉しく思います。番外編あれば楽しみにしています。お疲れ様でした。 (10月14日 10時) (レス) id: 3183a48762 (このIDを非表示/違反報告)
kei-k.sho(プロフ) - 初めまして!最初から最後まで一気読みさせて頂きました。最終話、感動でした!ayanelさんの書くお話の中に引き込まれました!何度も読み返せるよう、お気に入り登録させて頂きました!afterstoryも楽しみにしております!! (10月8日 14時) (レス) id: 1bb52ee427 (このIDを非表示/違反報告)
Chiak♪ - 最後まで読ませていただきました!とっても感動して涙が止まりません!!この小説を読むことができて良かったです! (10月7日 13時) (レス) id: 77d933a2c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ayanel | 作成日時:2017年9月20日 0時

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