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(白石)
突如鳴り響いたモニターの高い音に、初療室に緊張が走る。
重症三人をこの人数で回すのは、はっきりいって無茶だ。
急遽コンサルで来てくれた藍沢先生がなんとか食い止めてくれているが、縫合しなければこのばっくり開いた傷口は、血液を流し続けるだろう。
「白石、厳しいか」
「場所が場所で、この隙間を縫うとなると…」
このとき、彼女の存在が一筋の閃光のように脳内を駆け巡った────他のみんなもそうだと思う。
橘先生が、みんなの気持ちを代弁するように呟いた。
「ったく、引っこ抜いて行きやがって」
そのとき、フェローたちが付いている三人目の重症患者の脈が低下し始めた。
「脈拍、心拍ともに正常値を下回ってます。
これ以上は危険です…!」
冴島さんが辛そうに叫ぶ。
代わってあげたいけれど、私も緋山先生も手が離せない。
周りの音が遠のく代わりに、モニターの警告ブザーが大きくなる。
ああ、もうだめ────。
だから、気づかなかったのかな。
廊下を突っ切ってこちらに歩いてくる、軽快なヒールの音に。
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恵李 - こんにちは。恵李です。1年前からほとんど毎日見てます!続編よろしくお願いします!あの〜質問questionなんですけど、何歳ですか?私は華のJK16歳ですけど教えてください!! (2022年10月19日 22時) (レス) @page10 id: 18a46fedc8 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - ayanelさん» こんにちは… (2021年9月10日 11時) (レス) id: 9a04ef101c (このIDを非表示/違反報告)
レー - 質問というか聞いていいですか? (2021年3月8日 22時) (レス) id: 88b0f39677 (このIDを非表示/違反報告)
フラ - 作品を参考にしてよろしいですか?? (2020年9月11日 22時) (レス) id: ead1db5ef4 (このIDを非表示/違反報告)
あゆか(プロフ) - とても作品内容は面白く読ませて頂きました。一言申し上げるとセリフの前に名前を書いていただけると誰のセリフだか分かりやすくてもっと良い作品になると思います。素敵な小説ありがとうございました。 (2019年12月31日 0時) (レス) id: 8f8d498a5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayanel | 作成日時:2017年7月25日 21時