壊れかけのスノードーム

糖度100パーセントな恋愛　fkr ページ25

学生設定注意！！




今日は2/15日月曜日。そう、バレンタインデー明けの平日。今年はバレンタインデーが日曜日の休みと被っていたため、学生の私にとっては今日が勝負の日と言っても過言ではない。

鞄の中にはクラスの友達と交換するための友チョコと、小さな箱に詰まっている一番上手に出来た4粒の本命チョコ。

これみたらどんな反応されるかなぁ、少しでもいいから喜んで欲しいというのが本心。でも手作りなんて重くて嫌かな。


｢おはよ！A！はい、友チョコ！｣

『わ、おはよ！ありがとう〜！私からも友チョコあるよ〜〜〜』


と言って手元の鞄を漁る。あれ、どこにしまったっけ？

…なんてやっていた私が馬鹿だった。


｢あれ、その箱型のチョコは違うの？｣

『え、？あ、いやこれはその…』

｢なになに本命？？？福良くん？｣

『わ〜〜〜！声が大きいよ』

｢ごめんごめん、でも何人か渡すって人聞いたから頑張ってね〜｣

『ううぅ、頑張る…』


そうだよねぇ、福良くん密かに人気が高いもんなぁ。誰もが認めるイケメン！とかではないけれど、元々の性格の良さから密かに女子人気が高い。

それに加えて高身長で頭もいいもん。モテないはずがない。

なんて私が回想しているといつの間にか登校してきた福良くんと彼を取り囲む数人の女子。

うわぁ、出遅れちゃったなぁ。あ、クラスで一番可愛いって噂の子までいるじゃん。私じゃ勝ち目ないなぁ。


｢おはよ、Aさん｣

『おはよ、福良くん』


前回の席替えで隣同士になった私と福良くん。彼は毎朝笑顔で挨拶してくれる。でも今日はちょっと憂鬱かも。だって彼の持っている沢山のチョコも必然的に目に入る訳で。

…あれ？チョコを持ってない？


『福良くん、チョコは？』

｢ん？あぁ、全部断っちゃった｣

『え、なんで…』

｢だって、そんなに貰ってもお返しとか大変になっちゃうし。…それに｣

『それに？』

｢好きな人からの本命チョコが一個貰えれば十分かなって｣


はい、私終了のお知らせ。受け取ってすら貰えなさそうだ。もう本命貰ったのかな。


｢それで、Aさんは本命チョコくれないの？｣

『へ…？』

｢あれ？俺期待してたんだけど、貰えないの？｣

『え、貰ってくれるの…？』

｢俺が欲しいんだけど｣


どんなチョコよりも甘い、糖度100パーセントな一日遅れのバレンタインデーだ。

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