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振り向かせてみせるから 2 ページ6

『うわぁ、綺麗…!』

「…高ぇ」

やはり彼女は乗りたかったようで目をキラキラさせている。

『…ごめんね、やっぱり無理させてるよね』

「ん、大丈夫。乗りたかったんだろ?」

『…うん』

「じゃあそれでいいじゃん」

『ありがとう』

実は、俺も少し乗りたかったといえば乗りたかったのだ。

どこにでもあるようなジンクスだが、2人で観覧車に乗って結ばれたカップルは幸せになる、とかそんなものだ。

そんな非科学的なものに縋りたくなるほどだった。

ただ、やはり高所恐怖があって俺から誘うことは出来なかったということで。

だから彼女が誘ってくれてちょうど良かった、というところもあるのだ。



『今日楽しかったね』

「そう思ってくれたならよかった」

『────』

「ん、なんかいった?」

『なにも』

ありふれた表現だけど、このまま時間が止まればいいのにと思う。そうすれば彼女とずっと一緒にいられるのに。

そんなことを願っても、もうそろそろで半分に到達してしまう。

思いをもう一度伝えるなら今しかないのでは?

夜景を楽しんでいる彼女の横顔を盗み見る。

…あぁ、綺麗だ。

いつの間にか言葉がするっと出ていた。

「ねぇ、好き。Aが好き」

『……』

無言が俺たちを襲う。やってしまったか。何度もうざいやつだと思われただろうか、いやでもいつか振り向かせるとも言ったし…。なんてことを考えていると、

『ありがとう。私も伊沢が好きだよ』

『前、想いを伝えてくれてから少しずつ意識しちゃった。…私から本当は伝えるべきだったのにね、2回も伝えてくれてありがとう』

あぁ、俺の気持ちはしっかりと伝わったんだ。

「ねぇA、大好きだよ」

『うん、私も大好きだよ』



────その日俺たちは観覧車が頂上に辿り着いたころにどちらからともなくキスをした。

あぁ、これで俺たちも幸せになれるのかな、なんてぼんやりと考えながら。

夏の空に打ち上がる花火は secret→←振り向かせてみせるから izw



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設定タグ:QuizKnock , クイズノック , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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音穏(プロフ) - まりちゃむさん» 本当ですか!!そう言っていただけて嬉しいです!リクエストありがとうございましたー! (2020年12月14日 8時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃむ(プロフ) - 音穏さん» リクエスト叶えて下さってありがとうございます。まさにって感じです!笑 (2020年12月13日 20時) (レス) id: 3c5d7a454e (このIDを非表示/違反報告)
音穏(プロフ) - まりちゃむさん» 解釈違いでしたか…。ごめんなさい…。新しい作品を書かせていただきますね!申し訳ございませんがもう少しお待ち下さい…! (2020年12月10日 7時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃむ(プロフ) - 音穏さん» リクエスト叶えて下さってありがとうございます!こっちのバージョンも好きなんですが彼女は年下であまり賢くなくて頑張って伊沢さんが出した本を読んでてそれに気づかない伊沢さんにかまちょされるイメージでした...。 (2020年12月8日 9時) (レス) id: 3c5d7a454e (このIDを非表示/違反報告)
音穏(プロフ) - まりちゃむさん» わー!お返事遅くなってしまいすみません…!リクエストありがとうございます!できるだけ急ピッチで書かせていただきます! (2020年11月23日 9時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:音穏 | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年7月21日 21時

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