青春をガラス瓶に詰めたなら

☆ツンデレ方程式 sgi ページ36

｢ねぇ、俺のこと好き？｣

『…普通』

｢じゃあギュッてしてあげない｣

『…！！い、いいもん』


Aはこれ以上ないほどにツンデレだ。俺が抱きしめると隠しきれないほど嬉しそうなのに、さっきのようなやり取りをするといつもああやって応える。


Aが俺のことを好きなのは十分すぎるほど伝わってきてはいるが、もっと甘えてきて欲しいと思うのが彼氏としての本音だ。



＊



オフィスでの仕事が長引いてしまった。今日はAが俺の家に泊まりに来る日だったのに。


合鍵で先に部屋に入ってご飯を作って待っていると連絡が入っていた。


｢ただいまー｣


と、声を掛けて部屋に入ったがいつもなら聞こえてくる返事が聞こえない。


リビングを覗いてみるとAが俺のあげたぬいぐるみをぎゅううっと抱きしめながらソファで寝ていた。


A曰く、俺に似ているらしい。普段Aから俺に抱きついてくることなんてないのにぬいぐるみには抱きつくんだ。


｢ぬいぐるみじゃなくて素直に俺のこと抱きしめてよー…｣


と言って頬を撫でたりしても気持ちよさそうにすやすやと寝息をたてて寝ているだけ。


全く起きる気配もないしベッドで寝かせてあげよう、と思ってAをお姫様抱っこする。


｢軽っ…｣


もとからスタイルがいいとは思っていたが思っていたよりもはるかに軽い。ちゃんと食べてるのかが心配になる。


寝室のベッドにおろすと本っ当に幸せそうに寝ている。


……俺も一緒に寝てしまおうか。なかなか普段だと一緒に寝ることも出来ない。寝るには幾分か早い気もするがたまにはこんな日があってもいいだろう。


Aを抱きしめて目を閉じる。Aと一緒の夢を見られるように。









＊

リクエストより｢ツンデレな夢主が須貝さんに似たぬいぐるみを抱きしめて寝ているのを見た須貝さんが嫉妬して、夢主を抱きしめて寝落ちする｣お話でした。

今の一つ前のお話もそのテーマで書いていたのですが、私の解釈がリクエスト主様の意図と異なっていたので新しい作品を書き直しました〜。

お待たせしてしまい申し訳ございません！

また何かあればお申し付けください！幾らでも書き直しますので…！

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