まるで林檎のような ko-chan ページ32
『ううっ…』
｢そんなに泣くなって｣
夜の10時。俺は好きなやつに不本意な理由で居酒屋に呼びつけられていた。
『振るくらいならこんなに優しくしないで欲しかった…』
9時を回った頃に簡潔に｢振られたから飲み付き合って｣という文章が送られてきてはや一時間。こいつは一向に泣き止む気配がない。
でも正直Aが好きになったやつは割と遊び人として噂が絶えないやつだったから遊びの延長としてAにも優しく接していたのではないかと思っている。
｢だから言ってたじゃん、あいつはやめといた方がいいって｣
『だって渡辺理由とか言ってくれなかったじゃん』
｢確証もってたわけじゃないんだからペラペラ言えるわけないだろ｣
『まぁそうだけどさぁ〜』
もういい、やけ酒するから付き合ってね、とだけ俺に言ってAは机の上に置いてあったビールを呑み、新しい一杯を注文した。
＊
あれからAの愚痴やらなんやらに付き合って一時間近く経った。あいつは元々酒に強いわけではないのに3杯も呑んだのでもう顔は林檎みたいに真っ赤だ。
｢ほら、もうそろそろやめとけって｣
『ん〜、渡辺はいちいちうるさい！！どうせ彼氏でもないくせに〜！』
彼氏でもないくせに、どうせ俺が彼氏になりたいと言っても拒むのはお前だろ、と思いながら適当に流す。
…いや、流したつもりだった。
『へ、渡辺何言ってんの…』
目の前のAの顔がまたまた赤く染まっていった。これ以上ないくらいに赤かったのにまだ赤くなるのか、と冷静に分析する俺とがいた。
でもその一方でさっきのAの発言が頭の中で繰り返される。え、俺何か言った！？まさか心の中で思ってたことがそのまま口に出てたとか…？
その考えを否定しようにも物的証拠が多すぎて否定できない。
『え、いや、冗談だよね。うん。…あ、私酔いすぎちゃったのかな、あはは』
｢冗談じゃないし｣
『え、』
｢俺はAのことが好きだよ。冗談とか慰めじゃなくて｣
ねぇ、だからさ俺を選んでよ。絶対に泣かせたりなんてしないから。
☆作戦コード＃1457 kwmr→←満月に想いが隠れて sgi
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音穏(プロフ) - まりちゃむさん» 本当ですか！！そう言っていただけて嬉しいです！リクエストありがとうございましたー！ (2020年12月14日 8時) (
レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃむ(プロフ) - 音穏さん» リクエスト叶えて下さってありがとうございます。まさにって感じです！笑 (2020年12月13日 20時) (レス) id: 3c5d7a454e (このIDを非表示/違反報告)
音穏(プロフ) - まりちゃむさん» 解釈違いでしたか…。ごめんなさい…。新しい作品を書かせていただきますね！申し訳ございませんがもう少しお待ち下さい…！ (2020年12月10日 7時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃむ(プロフ) - 音穏さん» リクエスト叶えて下さってありがとうございます！こっちのバージョンも好きなんですが彼女は年下であまり賢くなくて頑張って伊沢さんが出した本を読んでてそれに気づかない伊沢さんにかまちょされるイメージでした...。 (2020年12月8日 9時) (レス) id: 3c5d7a454e (このIDを非表示/違反報告)
音穏(プロフ) - まりちゃむさん» わー！お返事遅くなってしまいすみません…！リクエストありがとうございます！できるだけ急ピッチで書かせていただきます！ (2020年11月23日 9時) (レス) id: ec43fdd9d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音穏 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年7月21日 21時
