スリザリンの変わり者 (ページ6)

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ハロウィーン・ナイトページ6

大広間にカボチャが浮かぶハロウィンの夜、ハーマイオニーは大広間にいなかった。

スリザリンの女子生徒が、彼女は地下の女子トイレで泣いていると話しているのを聞き、Aはすぐさまそこへ向かった。

一つだけ閉まった個室から、小さな泣き声が聞こえる。

「ハーマイオニー？私よ、A」

「悪いけど帰って。……こんなだから私には友達が出来ないのかしら」

自嘲気味に呟いたハーマイオニー。彼女の言葉にAは耳を疑った。

「誰がそんなこと言ったの？その人に伝えておいて。

『私ハーマイオニー・グレンジャーには、小さい頃から両親に呪いや魔法薬学を叩き込まれた用心棒兼友人がいます』

って」

憤慨したようにAは尖った声で言った。ハーマイオニーはその言葉に照れたように笑い、戸を開けた。

「ハーマイオニー、大広間にもど」

『りましょう』は、ハーマイオニーの驚愕した表情に掻き消された。彼女の視線の先に目を向けると、そこには四メートルほども背丈がある、醜い生物が立っていた。

「トロール！なんで校内に！」

Aが呪文を唱えるより先に、トロールは棍棒を振った。

個室が破壊されて破片が飛び散った。ハーマイオニーが悲鳴を上げた。

「ハーマイオニー！

ロコモーター・モルティス(足縛り)！」

呪文が当たったトロールは、派手に倒れた。棍棒がその手から離れたことに激怒したのかAを掴み、壁に向かって投げようとする。

「Aっ！」

ハーマイオニーが半泣きで叫んだその時、ハリーとロンが飛び込んできた。

「大丈夫!?」

「私は大丈夫、トロールにとどめを刺して！」

「とどめって何！」

焦ったロンはトロールに杖を向け、最初に浮かんだ呪文を唱えた。

「ウィンガーディアム・レビオーサ(浮遊せよ)！」

棍棒はふわりと宙に浮かび、鈍い音を立てて持ち主の頭に落ちた。

トロールは気を失い、Aを床に落とした。