スリザリンの変わり者 (ページ5)

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箒ページ5

ある朝、ドラコは「ポッターご一行様は仲良く汽車でマグル界にお帰りになっただろう」と、ご満悦といった感じで高らかに宣言していた。

が、

「なあんだ、いるじゃないの」

ハリーとロンは上機嫌で朝食を摂っていたし、ハーマイオニーは小腹を立てながらもシェパーズ・パイにかぶりついていた。

「おはよう、三人とも。昨晩は何かあったの？」

「あ、聞いてよA！」

ハリーは声を潜めてAに囁きかけた。

四階の『禁じられた廊下』に隠された巨大な三頭犬、その犬が隠している何か、恐らくそれはグリンゴッツに保管されていたものだという事。

「それ素敵な話ね！」

Aが舞い上がって、二人からもう少し話を聞こうとした時、一羽の白梟が大きな包みを持って飛んできた。

どうやらハリー宛だったらしく、ハリーは見るなり包みをすぐに開いた。

「ニンバス2000だ！」

ロンが興奮したように叫んだ。大広間に皆も羨まし気に箒を囲んだ。

「マクゴナガル先生、相当ハリーに期待されているようね。クディッチ頑張って！」

Aはそう残して大広間を後にした。背後からドラコに呼び止められる。

「自分の所属する寮よりも、オトモダチがいる寮の方が大事だっていうのか？クィンラン家のご令嬢はその程度の魔女だったって事かい？」

「地位よりも友人を重視する人間が『その程度』なら、私はそれでも構わないわよ」

颯爽と去っていくAの背中を見つめ、ドラコは悔し気に顔を顰めた。

「ポッター達が何だって言うんだ。僕じゃあ友人にはなれないのか」