スリザリンの変わり者 (ページ2)

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中庭にてページ2

「まだこの学校に居座るのか？ポッターご一行様」

ハリー、ロン、ハーマイオニーは最も会いたくない人物に絡まれていた。

「そっちこそ、いつまでこの学校を自分の庭だと思っているんだ？マルフォイご一行様」

すかさずロンが言い返すと、ドラコの得意げに吊り上がっていた口角がヒクヒクと歪んだ。

「純血しかこの学校にいられないという校則は無いわ」

ハーマイオニーも援護する。

ドラコはカチンと来たようにハリーを突き飛ばし、尻もちをついたハリーを「無様だな、ポッター」と見下ろした。グラッブとゴイルもニタニタと笑っている。

反撃してやろうと杖を構えた時だった。

「みっともないわね」

泉のように透き通った声が響いた。その声の聞こえた方向を見ると、そこには胸の下まで金髪のお下げを垂らした少女が立っていた。

気の強そうな碧い猫目、そして不敵な笑み。纏うローブには蛇が刺繍されている。

スリザリン生だ。

ハリー達はげんなりと彼女を見た。

「Aじゃないか。ポッター達に会うのは初めてだろう。挨拶してはどうだ？」

ドラコは勝ち誇ったようにAに視線を向ける。

彼女は、ハリー達にあからさまな愛想笑いを向けた。

「ご機嫌いかが？グレンジャー、ウィーズリー、そしてポッター。お目にかかれて光栄ですわ」

嫌味な口調。ハリーが何か言ってやろうと口を開いたが、それと同時にAはクスクスと笑った。

そしてニッコリと、今度は可愛らしい笑顔を三人に向けた。

「意地の悪い感じを演じてみたんだけど、怒らせちゃったみたいね。

ハーマイオニー、ロン、ハリー、行きましょう？」

背を向けて去っていくAをポカンと見送る全員。が、彼女は三人がついてこないことを不思議に思ってか振り返った。きょとんと首を傾げる彼女。

「来ないの？」

「どこに行くの？」

ハーマイオニーが尋ねると、彼女は「ここじゃないどこかよ」と笑った。

「もっとも、ただ楽しくお話してただけなら良いんだけど」

ハリー達は、遠ざかっていく金のお下げを急いで追った。