神は此処にいた ページ10
悪かったなと苦笑しながら私に手を差し伸べた中也さんは神様だと思う。(悟り)
勿論あの中也さんの御手を借りるなんてできっこないので、奇声を発しながら兎の如き素早さで飛び跳ねて敬礼をした。違うこれ警官の敬礼じゃねえかむしろ失礼かこれは。
「一応訊いとくが、太宰の補佐か?」
最初から彼の補佐という云葉が飛び出てくるあたり、どうやら既に私のことは聞いているらしい。口を開いたら噛み噛みになりそうなんでコクコクと神速で頷けば、そんな必死じゃなくて良いっての、と目を細めた中也さん。
イ ケ メ ン か よ 。
あまりのイケメンっぷりに後光が差しているのが幻視できた……ヒェ……太宰さんに見習ってほしい……。
『あ、暁凪と申しますっ……、本日付けで太宰幹部の補佐を務めさせて頂いて』
「ンなガチガチになんなくて良いぜ。さっき名前云ってたからもう知ってるだろうが……、中原中也だ。宜しくな」
『よ、宜しくお願いします!』
頭を下げれば、どうやら自分より年下だと思われたのか(事実そうなのだが大して変わらない)、ぽんぽんと頭を撫でられた。昇天しそう。何だよ頭ポンポンって神かお前は、そんなことされたら惚れちゃうぞ私。
という雑念を何とか振り切って、ところで、と切り出した。此処は太宰さんの執務室であり、そして曲がりなりにも私は彼に雇われた仲だ。何か用事があるならば、それを聞いておかねば。
そもそも中也さんは太宰さんを毛嫌いしているはずだし、だとしたら滅多なことでは此処に来ないと思うんだが……。
私の質問の意図に気づいたのか、中也さんは「あァ」と今度は至って不機嫌そうな顔で、嫌がらせされた、と話してくれた。此処で噴き出さなかった私の表情筋は神ってると思う。思わないかそうか。
『ならそこのソファで』
「ストォーップ何を話しているんだ君達は!」
私の台詞をぶった切りながら太宰さんが登場してきた。勢いでごふっと呻き声をあげた私を中也さんから遠ざけるようにした彼は、ぶすっとした顔でつらつらと中也さんへの文句を連ねる。
「私の凪ちゃんに触らないでくれるかい臭うだろう」「俺が臭いって云いてえのか手前」「そうに決まってるだろう、それともそれ以外に聞こえたかい君の脳内では」「潰すぞクソ野」
『ストォップ! 私別に太宰さんのモノじゃ無いし、あと云っときますけど私中也さんのこと好きですから止めて下さい!』
途端に云い合いが止まった。やだそんな見られると照れます。
……いや、ごめん冗談。
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白夜の世界 - ユーヒ様、申し訳御座いません。ですが、優姫ちゃんは死んだおりません。作品の中では余り細かい描写をしていないのですが、今昏睡状態になっております。…あと、本当にどうでもいいかもしれませんが、ユウキちゃんです…。御気分を悪くさせてしまい申し訳御座いません (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - ゆきな様、ありがとう御座います!其方もお体に気をつけて下さい! (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
ユーヒ - 夢主の親友が私と同じ名前で、死んだって聞いて何かショック。('' ) (2019年4月3日 1時) (レス) id: 1dd8890cea (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ヤバい太宰さん変t))ん"ん"…織田作かっこいい!(中也さん推し)これからも無理せずに頑張ってください (2019年4月3日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - 船長様、ありがとう御座います!此れから続編へ行きますので、どうぞ次の話も、宜しくお願いします! (2019年4月2日 15時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2019年2月24日 21時