現在も何も ページ37
……そしてその後廊下でばったりと出会った中也さんに、現在人を射殺しそうな目で睨まれている訳ですが。
いやマジで訳が判らないんだが。『ちゅ、中也さん?』と声を掛けてみれば、未だかつてないくらい(アニメの中では聞いたことあるが)低い声で、「誰だ。誰に、……やられた」と問われる。いやだから何が〜〜〜!?
「疾く云え。誰だ」
『あのだから』
「……手前、ちょっと来い」
『えッちょっと待って下さいたたたた! ちょ、ちょ待てよ』
何かキムタクみたいな台詞をほざいてしまった。しかしそれに笑うこともしない彼はズルズルと私を引っ張る。お前ら双黒は話聞かねえ奴等の集まりなのかなぁ!?(キレ)
ドナドナを歌いたくなるような気分だった。屠殺場に連れていかれる豚の気分でもある。物理的に首根っこを掴まれてドナドナされていく私を、黒服の何人かが凄い目で見てきた。クッソ恥ずかった。
そして恐らく中也さんの部屋であろう場所に入ると、首根っこをグッと彼の方に引き寄せられて、自然と顔が近くなる。自分とほぼ同じくらいの身長の彼と視線が絡まる。
普段よりワントーン低い声で「誰だ……、太宰か」と問われた。
だっから、
『そもそも中也さんが話している内容が理解できないんですが!』
「は? いや、だからそれ」
『それ! どれ!?』
「え」
大仰に手を広げれば、中也さんはポカンとした顔を晒した後にバッと顔を赤くさせる。顔面を手で覆った中也さんはそのまま崩れ落ちそうになるが、瞬間勢いよく此方を振り向いた。それから「昨日誰と何してた」と過保護な父のようなことを宣い始める。
別に隠すこともないので、太宰さんと飲みに行きましたが、と普通に答えた。
そういう訳か、と妙に苛立たしげに彼が呟く。私に説明してくれる気はサラサラないらしかった。すると中也さんは、突如として私の頸元に顔を埋めた。癖っ毛が当たって擽ったい──が、ビリッと電流のような痛みが走る。
「……ン、もう帰って良いぞ」
顔を上げてそう云われるが、いや行動が全く理解できない。どういうこっちゃ。
困惑している私の前で、中也さんは外套をバサリと羽織った。「あ、それと」と気づいたような表情で一度此方を振り向いて、「好き勝手やったら嫌われンぞって伝えとけ」と云われた。
……太宰さんが嫌われているのなんて全人類からではないだろうか??
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白夜の世界 - ユーヒ様、申し訳御座いません。ですが、優姫ちゃんは死んだおりません。作品の中では余り細かい描写をしていないのですが、今昏睡状態になっております。…あと、本当にどうでもいいかもしれませんが、ユウキちゃんです…。御気分を悪くさせてしまい申し訳御座いません (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - ゆきな様、ありがとう御座います!其方もお体に気をつけて下さい! (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
ユーヒ - 夢主の親友が私と同じ名前で、死んだって聞いて何かショック。('' ) (2019年4月3日 1時) (レス) id: 1dd8890cea (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ヤバい太宰さん変t))ん"ん"…織田作かっこいい!(中也さん推し)これからも無理せずに頑張ってください (2019年4月3日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - 船長様、ありがとう御座います!此れから続編へ行きますので、どうぞ次の話も、宜しくお願いします! (2019年4月2日 15時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2019年2月24日 21時