太宰と芥川を合わせたら必ずシリアスになる ページ15
「はー。部下の教育って面倒だよねぇ」
『いきなり何云い出すんです太宰さん』
ぐてーっと今日も今日とてだらける太宰さん。仕事しろやという視線を向けると、それから顔を背けるように回転式の椅子をくるりと回しながら「面倒なのだよ……、大体最近は下級構成員の質が落ちすぎなんだ」とどうにもならないことを喋り始める。いやそんなこと私に云われても。
ちゃんとやったら褒めてあげますよーなんて云うと、「嬉しいけど嬉しくない……」と溜め息を吐かれた。すげえ雑なやる気の出させ方だったと思うけど嬉しいんだ……。
彼がもう一度深い溜め息を吐いて、椅子から立ち上がった。「ちょっと行ってくる」と云って扉を閉めた──のだが、また扉を開けて私の前に立ち、私の頭をわしゃわしゃ撫でた。それからもう一度部屋の外へ出て行く。
……いやマジで最後の何?
「……本当に君は出来が悪いね」
太宰は無機質な目で少年を──芥川を見た。硝煙が出ている片手拳銃を腰に仕舞い直した。それは既に使われたものだった、芥川の左腕を撃つものとして。
芥川は地面に膝を着いていた。血が出そうな程、唇を噛み締めている。その口唇から血液が流れ出ることなどどうでもいいように、ただひたすらに何かへの憎悪を滲ませた目を太宰の足元へと向けていた。
「唯攻撃するだけの愚図なら沢山いるんだ。攻撃だけじゃない。如何動いたらマフィアの利益になるか、考えてから動け。そうじゃない塵なんか要らない」
冷たい──なんてものではなかった。これは機械が喋っていると云われた方が納得できるぐらいに無機質な声音である。より一層、芥川の瞳に感情が滲み出た。
「っ、
「必要なのは云い訳じゃあ無い。実績だよ」
何処までも正しい正論だった。それ故に芥川の心に深く突き刺さった。
太宰の
段々と眼が霞んでいく。血が足りないのか。まだ動ける。けれど体が追いつかない。
『………………だざ、いさ──?』
此のポートマフィアには一番合似わない様な声を最後に、芥川の意識は闇へ沈んでいった。
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白夜の世界 - ユーヒ様、申し訳御座いません。ですが、優姫ちゃんは死んだおりません。作品の中では余り細かい描写をしていないのですが、今昏睡状態になっております。…あと、本当にどうでもいいかもしれませんが、ユウキちゃんです…。御気分を悪くさせてしまい申し訳御座いません (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - ゆきな様、ありがとう御座います!其方もお体に気をつけて下さい! (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
ユーヒ - 夢主の親友が私と同じ名前で、死んだって聞いて何かショック。('' ) (2019年4月3日 1時) (レス) id: 1dd8890cea (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ヤバい太宰さん変t))ん"ん"…織田作かっこいい!(中也さん推し)これからも無理せずに頑張ってください (2019年4月3日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - 船長様、ありがとう御座います!此れから続編へ行きますので、どうぞ次の話も、宜しくお願いします! (2019年4月2日 15時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2019年2月24日 21時