妖怪㐂伝、虹の岡［all］ (ページ37)

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でっかいおチビページ37

黄side

桃「……あれ、おれ…」

緑「のんちゃん！」

橙「はーい無理に起き上がらん。まだだるいやろ」

何が起こったか分からない様子で辺りを見渡す

事情を説明すると、たちまち顔を青くさせて

桃「申し訳ありませんでした！！」

赤「お手本みたいな土下座」

桃「ほんっま……迷惑ばっかかけて。罰うけて当然です」

緑「そんな…」

桃「俺はやっぱり、生まれてくるべきやなかった…」

辛そうに笑うこの子に、胸が締め付けられた

すると、ずっと黙ってた濵ちゃんが頭を下げるのんちゃんの前に立つ

紫「なぁ、名前なんて言うん？」

桃「…えっ」

紫「のぞみちゃんは違うやろ？
ちゃんと自分の名前、本人から聞きたいねん」

桃「……っ……のぞむ。…小瀧望です」

紫「のぞむ君か、ええ名前やな！
普段は男前で化けたら可愛ええの、羨ましいなぁー」

橙「濵子、あんた恐ろしさではこの世の妖怪全てに勝ってるわよ」

紫「うわぁーん嬉しなぁい」

いつもの巫山戯た掛け合いに、ぽかんと口が開いている

そんな様子にまた柔らかく笑い、頭を撫でる

紫「…こんな真面目で、しっかり礼儀もなっとって。御家族に愛されて育った証拠や。そんな大事な宝物、大切にせなあかん。
じゃ、皆さん、行きますよー！」

赤・橙「うぇーい！」

黄「どこ行くん？」

紫「望の世話なったとこ。」

桃「えっ！？」

橙「手下って言ったよな？人数も多そうやし、俺らじゃ3、4人は取り逃す。よし、あそこらに頼むか」

赤「げっ」

橙「しげ、連絡してな」

ちょっと嫌な顔をして、渋々自室から笛を持ってきた

ピー！ピー！ピー！

黄「……？」

桃「あの、なにを「しーっ！」

しばらく耳をすましていると、だんだんと近くなる鳥の羽の音

鳴き声も、、てか…多くね？

カーカーカーカーカーカーカーカー！

バサバサッ！バサバサバサバサっ

空が一面黒くなり、羽がはらりと落ちる。

大勢の人間？鳥？がこちらを見下げていた

と思ったら先頭の一羽がこっちに降りてきた

しげの目の前でかしずくと

…赤いバラを取り出した

「やぁしげ。呼んでくれて嬉しいよ。

俺らが会えた記念にこれを」

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