妖怪㐂伝、虹の岡［all］ (ページ27)

今日:11 hit、昨日:75 hit、合計:116,998 hit

こんにちは、花嫁ですページ27

？？side

吾輩は猫である

名は既にある

どこで生まれ、どこで死んだかもわかっている

赤「なぁー！遅いー！」

緑「もうちょいで帰ってくるから我慢して」

腹が減ったと叫ぶこの子供は、この家の住人である

大きな口でよく笑う。明朗快活、健康第一な人柄

明らかに妖怪に似合わぬ者

暇さえあれば余計なことをして、ありとあらゆる生き物の驚く顔を好物としている

前言撤回、妖怪に最も相応しい

赤「…あの猫今めっちゃムカつくこと考えてた気する」

緑「おチビちゃんも来てくれたーん？」

膝を抱えて吾輩に目線を合わせる者もこの家の住人の一人である

いつも吾輩を可愛がり、昼寝をする

穏やかな反面、洗濯時に赤の着物を広げては、稀に

緑「……葉つけたまま籠に入れやがって、、ちっ」

闇が垣間見えるのである

橙「ふわぁぁぁ」

赤「でっけぇあくび…」

この図体の大きい鬼は、よく働き、よく食う者である

ここの住人は全員が妖なのだが、こいつは一番人間らしい生活をしている

庭いじりに端材で工作、たまに三線も

紫「ただいまぁ」

赤「アホ！！」

紫「んぇ？帰ってきて最初の一言それ？」

赤「はよ手ぇ洗って着替えろ！」

緑「腹減りすぎてあんた待つのしんどかったんて」

紫「わかったわかった、ごめんて…よっこいしょ」

今手を引かれ段を上った者がこの家の家主である

見ての通りの人の良さそうな顔

結婚詐欺に合いそうな顔とも言える

いつも吾輩の頭を撫で、釣りについて行けば魚を与えてくれる

紫「ん、お前も食べよ。おいで」

そして吾輩は、今その腕に抱かれた

化け猫である

にゃん

.