第11話 ページ12
あれは何年前だっただろうか
両親が亡くなり、物乞いや盗みをして食いつないでいた時だろう
私は人気のない小路で複数の男に取り囲まれた
男らは身体目的だった
遊郭などはお金が無いと行けない
貧困層の男では到底手が届かない
身売りしている女性もいたが、それにもお金がかかる
そのため手荒な手段にでる人間も少なからず居たのだ
そんな光景を何度も見てきた
だから私はそういった行為に非常に嫌悪感を抱くようになった
しかし、まさかそんな事が自分の身に起こるだなんて想像はしていなかった
逃げ道がない、助けてくれる人は誰もいない
恐怖に泣いても、叫んでも、男達は止まらない
幼子だろうが関係無いのだ
私は姿勢を崩し後ろに倒れた
欲望を露わにして気持ちの悪い笑みで迫りくる
必死に逃げようと這うように後ずさりしていると、手元に何か触れた
3寸程の鋭利な金属でした
私はそれを握りました
男に掴み掛かられ、抵抗しようと持っていた物を振り回しました
偶然にもそれが男の首に突き刺さりました
ソレは動かなくなりました
その場にいた人間が唖然とソレを見ていました
冷静さを取り戻した私はふと思ったのです
先程まで恐怖の対象であったソレが、いとも簡単に壊れてしまうこと
散々私を粗雑に扱っていた存在も私と同じただの人間なのだと
あぁ、私は一体何に怯えていた？
酷く自分が臆病であったように感じた
状況を把握した残りの男達が逆上し襲いかかってきた
殺らねば殺られる、ならば選択は1つ
数が減るにつれ命乞いをしてきた
さっきまで自分はどれだけ許しを乞おうと、やめようとはしなかったくせに
慈悲などなかった
血溜まりに横たわる男達をみて
見下した人間にいとも簡単に亡きものにされた物達をみて面白おかしくて堪らなかった
他を罵倒する事も無くなり、血の気のないソレはより人ではない魅力を引き立てている気すらした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
odamaki0610(プロフ) - らるさん» 布教しえ沼に引きずりこみたいですね！← (2019年8月14日 1時) (
レス) id: f831c7c556 (このIDを非表示/違反報告)
らる(プロフ) - odamaki0610さん» みんなを金カム沼にハマらせましょう!!(オイヤメロ) (2019年8月14日 1時) (レス) id: f40689aef1 (このIDを非表示/違反報告)
odamaki0610(プロフ) - らるさん» はい！お互い楽しく頑張りましょう！金カム好きな人が周りに少ないのでこうして交流出来るのがとても嬉しいです！ (2019年8月14日 1時) (レス) id: f831c7c556 (このIDを非表示/違反報告)
らる(プロフ) - odamaki0610さん» いえいえ！お互い、尾形夢小説頑張りましょう!! (2019年8月14日 0時) (レス) id: f40689aef1 (このIDを非表示/違反報告)
odamaki0610(プロフ) - らるさん» あ、ありがとうございます！！そう言って頂けて光栄に存じます！亀の如し更新スピードですが頑張ろうと思います！ありがとうございます！！ (2019年8月14日 0時) (レス) id: f831c7c556 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：odamaki0610 | 作成日時：2019年8月11日 15時
