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「えっと…待っ、あなたは五条悟…?」
「そうだよ〜。このイケメンはGLGの五条悟以外ありえないよ〜ん」
「…自分で言うんだ…。それと、離してくれないかな。生徒の前だし」
「照れるなって♡」
「照れてない。殴るよ」と言えば渋々、と言った様子で五条くんがようやく離れた。…なんか、どっと疲れた気がする。
本当にこの人は五条悟なんだろうか? 私の同期の、天上天下唯我独尊の権化 五条悟? 本当に?
「いや〜、なんてサプライズなのかな! 会えるなんてさ〜」
これが?
冗談もいい加減にしてほしい。五条くんはこんな変人じゃない。
もっと横暴・軽薄・天上天下唯我独尊のはずだ。こんな人は私の記憶にこれっぽちもない。
十年でこんなに変わるものなの? 信じられない、何があったんだ。
「てことで! みんなには申し訳ないけどA借りるね〜」
「ッおい! 悟!! 職務放棄するな!!」
「僕正論嫌いなんだよね〜♡ しかも傑は既に会ってたみたいじゃん。ムカつく〜」
「いい加減に…!」
───しろよ、悟!!!
傑くんのガチおこボイスがぼんやりと聞こえたと思ったら、知らない場所にいた。みんなは…いない。
テレポーテーションか? ついにそんなことまでできるようになったのか、この男。
この人がいたら世界を壊すのも救うのもできちゃいそう。最強って恐ろしい。
「ねえA、さっきの話なんだけどね、」
「…ほんとにあなた、五条くん?」
「そうだよー! まあ僕も変わったしね! びっくりしてもしょうがないかな〜」
Aはもっと綺麗になったね〜! にこにこしながら五条くんは言った。
…いや尚更信じられない。昔の五条悟とは違いがありすぎて目の前の男が未確認生命体に思えてくる。
「…でも、私が知ってる五条くんは、あなたみたいな変人ではなかったんですけど」
「う〜ん、昔の僕って大分クソガキだったからさ〜」
「はい」と肯定すれば、「肯定しないで!? 傷ついちゃう…」と嘘泣きを始めた。
いや事実だし。クソガキっていうよりクズの方が正しいと思う。その言葉は吞み込んであげることにした。あとなんか、言えば何されるかわからないし。
「まあ、僕めんどくさい奴だったからさ! 内心はずっとこんなこと思ってたよ〜」
「…はあ、」
「あー。信じてないね〜? その顔は!」
信じられるかこの馬鹿野郎。勝手に誘拐しやがって。心の中で悪態をついている間に、いつの間にかアイマスクを取っていたらしい五条くんの澄み切った青空をいっぱいに閉じ込めたみたいな、あの美しい蒼い目に見つめられた。
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まいとりー。(プロフ) - 紅葉夕さん» 紅葉夕さん、コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます! すごく嬉しいです。楽しんでいただけてよかったです!! 文字書き同士、一緒に頑張っていきましょう!! (2022年8月26日 21時) (レス) @page40 id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
まいとりー。(プロフ) - マリオットさん» コメントありがとうございます〜!この作品に貴重なお時間を使っていただけて本当に光栄です…。恋愛は書き慣れていないので私自身不安なんですけど、ぜひ楽しんでいただけるように頑張らせていただきます!! 応援、本当にありがとうございます! (2022年8月6日 19時) (レス) id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 面白過ぎて…感動です… 応援してます‼ (2022年8月6日 16時) (レス) @page5 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぐちや | 作成日時:2022年8月5日 7時