愛の言葉は歪んで聞こえた ページ45
◇
「五条、アンタAと付き合ったの！？」
「うーわ、歌姫うるさー」
何故か東京に来ていたらしい歌姫が僕に突っかかってくる。
歌姫は般若レベルにこっわい顔をして僕に近寄ってくる。はー、Aだったら絶対かわいいのに。
「アンタねえ！？ 私のかわいい後輩を誑かさないでくれる！？」
「あのさー歌姫。Aが遊びで男を選ぶと思ってんの？」
「思うわけないでしょ！！！！」
じゃあいいじゃん。はあ、と溜息を漏らしながらそう言えば、「いいわけないでしょ！！」と歌姫が叫んだ。うるせぇ〜、マジで帰らないかな。
「Aはね、私のかわいい後輩なの。アンタと違って素直でいい子なのよ」
「いや知ってるし」
「アンタのものになるのが気に食わないの！！ 絶対嫌、五条Aなんて！」
「あはは、無理無理。僕易々と手放したりしないよ？」
残念だったね〜。へらへらと笑ってみせると、歌姫は眉を吊り上げて「…アンタと話しても埒明かないわね」と小さな声で呟いた。
…何する気？ 歌姫。
＊
＊
＊
「A！！！」
「えっ、歌姫先輩！」
歌姫の後をこっそり後をつけていたら、なんとAと会っていた。は？ ふざけんなよ歌姫。
僕今日話せてないのに。今日一回も話せてないのに。なあ。ふざけんなよ歌姫。
「五条に変なことされてない？ アイツクズでゲスだから心配なのよ」
「やっぱり五条くんは信頼できないですよね。わかります。私もですから」
ちょっとA！？
叫びたくなる衝動をぐっと堪えて壁をぎゅっと掴む。やば、凹んでる。いやまあ歌姫のせいだし。高専ボロいしいいよね。そう、いいんだよ。
僕がいいからいいんだよ。
「もし何かされたら殴ってやり返すまでなので」
「ほんとに大丈夫？」
「歌姫先輩は心配性ですね」
Aは苦笑してからこっちに視線を向けて小さく笑った。
…え、もしかして気が付いて、
「大丈夫ですよ。たぶん、ね」
「Aがそこまで言うなら…そうね」
幸せになりなさいよ！ 歌姫がぎゅっとAを抱き締めた。
あ、ずるい。そう思った瞬間、Aの唇がゆっくり動いた。
「───うわ、」
ぶわっと体温が急上昇した気がした。
床に座り込む。不整脈かって思うくらい心臓が痛い。
「うん、幸せにするよ、絶対」
彼女に答えるように、笑ってみせた。
◇
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まいとりー。(プロフ) - 紅葉夕さん» 紅葉夕さん、コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます！ すごく嬉しいです。楽しんでいただけてよかったです！！ 文字書き同士、一緒に頑張っていきましょう！！ (2022年8月26日 21時) (
レス) @page40 id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
まいとりー。(プロフ) - マリオットさん» コメントありがとうございます〜！この作品に貴重なお時間を使っていただけて本当に光栄です…。恋愛は書き慣れていないので私自身不安なんですけど、ぜひ楽しんでいただけるように頑張らせていただきます！！ 応援、本当にありがとうございます！ (2022年8月6日 19時) (レス) id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 面白過ぎて…感動です… 応援してます‼ (2022年8月6日 16時) (レス) @page5 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐちや | 作成日時：2022年8月5日 7時
