ほどけない青の引力 ページ36
◇
「野薔薇ちゃん、五条くんたちボーイズトークしに行くって」
「そうなの？ じゃあ私たちはガールズトークしましょうよ！」
野薔薇ちゃんに手を引かれて連れてこられたのは、JKが賑わうカフェ。
…めっちゃ場違いな気がする。
「それにしても、五条って結構独占欲強いのね」
「はは…あれだけ強いから、独占欲もそうなのかもだけど、主に支配欲が人一倍強いんじゃないかな」
何でも一番じゃないと気が済まない、ってタチなのだろう。と私は思っている。
とは言っても、それは昔の五条くんの話だ。今じゃあまりにも性格が違う。…いや、根本は一緒だ。
あれはただ素直になれなかった、という五条くんの話の通りかもしれない。
でも昔の五条くんの方が単純で扱いやすかったかな。今の五条くんは何考えてるかよくわからない。
「…あら？ 貴女…悟様の妾の……」
遠い昔、何度か耳にしたことがある声が鼓膜を揺らす。自然と気分が重くなる。
野薔薇ちゃんは「あﾞぁん？ アンタ誰よ、邪魔しないで」と顔を歪ませた。
「五月雨さん」
「あら、覚えてらしたのですね」
五月雨皐月。それが彼女の名前だ。
なにかと五条くんにちょっかいをかけられていた私に、嫌味を言ってきたりした女だ。私ははっきり言って彼女があまり好きではない。
「前から何回も言ってるけど、五条くんとは何の関係もないよ
なんでそんなに私にこだわるのかな。見たらわかると思うけど、私今教え子とお茶してるの」
「ねえ貴女、悟様の教え子の方でしょう？ 彼女と関わるのはお止しなさい
彼女は悟様を誑かす女なのですから」
ああ始まった。またそれだ。
いろいろな人にこの話を彼女はしてるみたいだけど、みんな揃って彼女の話をスルーしてる。何故なら私は特級呪術師だからだ。
ただ、彼女は生粋の箱入り娘。あまり世間を知らないらしく、私の等級のことも然りだ。
「はぁ？ アンタ何言ってんのよ。Aさんから、じゃなくて五条からAさんは迫られてるのよ
いつも相手させられて、Aさんだって呪術師なのに」
「女は呪術師なんてしないものですのよ。家で旦那様の帰りを待つのが務めですわ」
だから貴女も、呪術師なんて辞めてしまいなさい。そう言った五月雨さんの手首を掴んだ。
反射だった。我慢できなかった。
私たちが座っていたのは店内外の席だ。周りから丸見えだけど、これは───黙って見ていられない。
「変な考えを教え子に植え付けないで。彼女は立派な呪術師なの
そもそも、アンタたちは何もできないんだから。危なくなれば私たち呪術師に頼るしかない癖に」
◇
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まいとりー。(プロフ) - 紅葉夕さん» 紅葉夕さん、コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます！ すごく嬉しいです。楽しんでいただけてよかったです！！ 文字書き同士、一緒に頑張っていきましょう！！ (2022年8月26日 21時) (
レス) @page40 id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
まいとりー。(プロフ) - マリオットさん» コメントありがとうございます〜！この作品に貴重なお時間を使っていただけて本当に光栄です…。恋愛は書き慣れていないので私自身不安なんですけど、ぜひ楽しんでいただけるように頑張らせていただきます！！ 応援、本当にありがとうございます！ (2022年8月6日 19時) (レス) id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 面白過ぎて…感動です… 応援してます‼ (2022年8月6日 16時) (レス) @page5 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐちや | 作成日時：2022年8月5日 7時
