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◇
「君は簡単に自己犠牲をする。それが術式だから当然だけど、僕は嫌なんだよね」
「誰でも五条くんみたいな術式なわけじゃないんだよ？ それはただの」
「僕のわがまま、って言いたいんでしょ？」
五条くんと目が合う。心臓が嫌な音を立てた。
「わがままでいいよ。嫌われるのは御免だけどね」
───大事なものこそ守れないってよく言うじゃん。
今度は目を合わせることができなかった。一度道を誤りかけたから。
硝子ちゃんには「なんで相談しなかったんだ」と泣いて怒られて、それからいつも心配されるようになったのは記憶に残って───
「だから言っただろ。雑魚は後ろに下がっとけ、って」
オマエバカなの？ 若かりし頃の五条くんの、私を叱る声が脳内再生された。
確かその後硝子ちゃんが「言い方ってものがあるだろ。Aに謝れ、クズが」とメスを握っていたんだっけ。
あれは、全部照れ隠しというか、なんか…言いたいことが真逆になってしまったっていうやつ？ なのだろうか。
「…ちょっ、何笑ってんの」
「ふふっ…ふふ、ごめん、ちょっと…」
「やめてよ、こっちは真面目に話して、」
「そういうわけじゃなくて」
じゃあどういうわけ？ と不機嫌そうに五条くんは私を見る。
本人は変わったとか言っていたけど、やっぱり五条くんは五条くんのままだな。
「いや、かわいいところもあるんだなって」
「…………………………は！？」
バンッ、と机を叩いて立ち上がった五条くんの大声が店内に響いた瞬間、「お待たせしました〜」と店員さんがテーブル横に来ていた。声は少しだけ刺々しい。多分、五条くんの声がうるさかったんだろう。
「キャラメルハニーパンケーキとフレンチバウムクーヘンになります」
ごゆっくりどうぞ〜。店員さんが去っていっても五条くんは固まったままだ。
心なしか、髪の間から見える耳がほんのり赤い気がする。それに、頬も。
「五条くん、いつまで立ってるつもり？ 早く食べようよ」
「…え、あ、あ…うん…」
◇
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まいとりー。(プロフ) - 紅葉夕さん» 紅葉夕さん、コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます！ すごく嬉しいです。楽しんでいただけてよかったです！！ 文字書き同士、一緒に頑張っていきましょう！！ (2022年8月26日 21時) (
レス) @page40 id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
まいとりー。(プロフ) - マリオットさん» コメントありがとうございます〜！この作品に貴重なお時間を使っていただけて本当に光栄です…。恋愛は書き慣れていないので私自身不安なんですけど、ぜひ楽しんでいただけるように頑張らせていただきます！！ 応援、本当にありがとうございます！ (2022年8月6日 19時) (レス) id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 面白過ぎて…感動です… 応援してます‼ (2022年8月6日 16時) (レス) @page5 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐちや | 作成日時：2022年8月5日 7時
