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「…でも、本当にできるの? やったことないのに?」
「できるって! 僕最強だから。だから動かないでね〜、失敗したくないから
でねでね、はいこれ」
「着替えてきて〜」五条くんはにこにこ笑いながら紙袋を押し付けてきた。
曰く硝子ちゃんと一緒に選びに行ったらしい。一体お酒と煙草をどれだけ積んだんだろうか。
…めっちゃサイズぴったりだった。
*
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「さすが僕…と硝子。似合ってるよ〜!」
「硝子ちゃんにお礼言わなきゃ」
「えっ僕は?」
何故五条くんに髪の毛を結んでもらっているんだろうか。少し不思議だ。
さっき着替えている間に適当に化粧をした。と言っても、普段からあまり化粧に手を込んでいる訳じゃないからすぐに終わったけど。
五条くんはと言うと、ヘアアイロンで髪を巻く作業を続けながら服の評価を延々と垂れ流している。ちょっとだけうるさい。
五条くんが目指している完成形は、全体的にゆるく巻いて、横髪を器用に編み込み、ひとつにまとめてふわっとアップにするもの。こんなものして一体何になるというのかわからないが、後から駄々を捏ねられたりするのは面倒なので素直に従っている。鏡をちらっと見たが、わざと残したおくれ毛にもアイロンをあてて、こなれ感なるものを演出する手の込みようだ。最強ってこんなところでも使える言葉なのかな。
「はいっ、できた〜!」
「…ほんとにできてる」
凄いね、五条くん。いつもは面倒だからとりあえず櫛で髪を梳かして一つに結ぶかそのままにしておくかの二択だから、こういった手の込んだものは新鮮だ。しかも初めてでこんなにクオリティ高いことができるなんてさすがとしか言えない。
「いいのいいの〜! 僕がやりたかっただけなんだから! すっごい似合ってるよ〜!!」
「うん、ありがとう」
で、今日はどこに行くつもり? と尋ねると、外出するからかいつもの不審者装備でお馴染みのアイマスク・黒服ではなくサングラスをかけた五条くんがにっこりと笑った。
「それは着いてからのお楽しみってことで! 早く行こー!!」
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まいとりー。(プロフ) - 紅葉夕さん» 紅葉夕さん、コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます! すごく嬉しいです。楽しんでいただけてよかったです!! 文字書き同士、一緒に頑張っていきましょう!! (2022年8月26日 21時) (レス) @page40 id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
まいとりー。(プロフ) - マリオットさん» コメントありがとうございます〜!この作品に貴重なお時間を使っていただけて本当に光栄です…。恋愛は書き慣れていないので私自身不安なんですけど、ぜひ楽しんでいただけるように頑張らせていただきます!! 応援、本当にありがとうございます! (2022年8月6日 19時) (レス) id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 面白過ぎて…感動です… 応援してます‼ (2022年8月6日 16時) (レス) @page5 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぐちや | 作成日時:2022年8月5日 7時