すべてにさよならを告げた日 ページ11
◇
「あっ、A先生！」
「戻ってきたのね！」
「…！」
やって来たのは一年の教室。嬉しそうに顔を綻ばせる悠仁くんと野薔薇ちゃん。ちょっとだけ口角が上がった恵くん。みんなかわいいなあ。
「お騒がせしてごめんね？ 五条くんならこうしといたから」
苦笑しながら拳を作って空を切る。野薔薇ちゃんは「Aさん最高！」と満面の笑みを浮かべた。かわいいなあ。
「でも、五条先生、あの目は本気だったと思うんだよな」
「…不覚にもそう思うわ」
「俺もだ」
「何の話？」
三人は私の事を見て、「五条とAさんのことよ」と野薔薇ちゃんが代表して言った。
私と、五条くん。
「Aさんは、アイツのことどう思ってるのよ」
「天上天下唯我独尊、自分勝手で横暴軽薄、最低最悪の同期」
「…凄い印象ね」
「………って、思ってた」
「今はわかんない」野薔薇ちゃんたちに笑みを向けた。
三人は顔を見合わせて、首を傾げた。
「でも、五条先生って天上天下唯我独尊って感じはしなくね？」
「…昔はそうだったんだ
顔合わせれば雑魚だの才能ないだの邪魔だの目障りだの何だの、まあ、印象最悪だよ」
五条くんはどうしようもないクズだよ。小さく呟いた言葉に、恵くんが大きく頷いた。
…だけど、ね。
今私が生きてるのも、傑くんが生きてるのも、五条くんのおかげかもしれない。
思い出すのは、嫌になりそうなくらい暑い、あの夏だ。
＊
＊
＊
天内理子の護衛任務。甚爾さんを買収して、なんとか守り抜いた。
五条家が理子ちゃんを囲って、今では普通の一国民として過ごしていると聞いた。
…でも、私に理解できなかったのは、あの宗教団体だ。
一年後、後輩の灰原が一度死にかけて、ギリギリのところで私が現場に着いた。あと少し遅かったら。そう考えただけで肝が冷える。
「先輩、本当に、ありがとうございます…」
「いいのいいの。無事でよかった」
「…これからも、ずっと尊敬してます！」
私と傑くんは、呪霊が見えているだけで、虐待を受けている女の子に出会った。
理性がぐらついた。こんな奴らのために、私は自分の身体を犠牲にする必要はあるの？
馬鹿らしかった。呪術なんて、馬鹿みたい。
───でも、それでも、殺そうといくら思っても、
「…オイ、キツいんなら下がれ」
「A、いつもおつかれ。これあげる」
いつも支えてくれる同期。
二人を、硝子ちゃんを、裏切るわけにはいかなかった。
「…傑くん、」
◇
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まいとりー。(プロフ) - 紅葉夕さん» 紅葉夕さん、コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます！ すごく嬉しいです。楽しんでいただけてよかったです！！ 文字書き同士、一緒に頑張っていきましょう！！ (2022年8月26日 21時) (
レス) @page40 id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
まいとりー。(プロフ) - マリオットさん» コメントありがとうございます〜！この作品に貴重なお時間を使っていただけて本当に光栄です…。恋愛は書き慣れていないので私自身不安なんですけど、ぜひ楽しんでいただけるように頑張らせていただきます！！ 応援、本当にありがとうございます！ (2022年8月6日 19時) (レス) id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 面白過ぎて…感動です… 応援してます‼ (2022年8月6日 16時) (レス) @page5 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐちや | 作成日時：2022年8月5日 7時
