神様のわるふざけ ページ2
◇
「…A？」
「…傑くん？」
「久しいね、元気だったかい？」と微笑みを浮かべるのは、私と同期の夏油傑。
「連絡は取ってたじゃん」と言えば、「それはそうだけど」と苦笑いされる。
「Aも映画を見に来たのかい？」
「前に傑くんがおすすめしてくれたでしょ？ このシリーズ」
「…それで、わざわざ？」
「そう」
「さすが私の幼馴染だね」傑くんはちょっとだけ嬉しそうな声色で笑みを深くした。
夏油傑は私の高校時代の同期であり、幼い頃からの腐れ縁だ。
昔から呪霊が視えて、二人で「おかしい」と後ろ指さされるのを必死で耐えてきた。
高専に入って、術式の相性がいいだのなんだので、よく二人で任務に行ったりした。
同じことで悩んで道を踏み間違えそうになったけど何とか踏みとどまって、今を生きてる。
「折角だし、一緒に見ないかい？」
「そうだね。まだチケットも買ってないし」
「じゃあ、Aはポップコーンとコーラをお願いするよ」「もちろん」と他愛もない言葉を交わす。
いつも通り、二人で映画に来た時と同じようなことを繰り返して、何だか高専の時にタイムスリップしたような気分になった。
＊
＊
＊
「やっぱりまばらだね」
「レイトショーだしね。…上映まで時間あるし、最近の話でもするかい？」
傑くんは、今年のクリスマスに「百鬼夜行(嘘)」の首謀者役になったらしい。
何やら超ヤバい呪霊に取り憑かれた子がいたらしく、解呪のため、任務中で生徒たちに会ったことのない傑くんが首謀者役に抜擢されたらしい。
彼は極度の非術師嫌いで有名だ。ちゃんと理由はある。でも生きるためにはいつでも嫌悪を示しちゃいけないと理解しているから、大抵あの胡散臭い笑みの下にその本音を隠している。
…も、戦闘中だったから、いわゆる呪力のないフィジカルギフテッドの生徒の子に、集中攻撃をしてしまったらしい。
それで生徒からの評価はガタ落ち…らしい。
「…大変だったんだね」
「そう。悟は大笑いするから危うく喧嘩するところだったよ」
「あはは…校舎半壊は勘弁してね？」
「さすがに我慢したさ」とむっとする傑くんに、「ちょっと信頼できないなぁ」と呟いて、ポップコーンを口の中に放り込む。
「そっちは最近どう？」
「ぼちぼちかな」
私は高専卒業と同時に出版社に入社した。読書は好きだったし、小学校からの同級生の芽吹くんも同じ会社だ。…他にもまあ、色々してる。
傑くんと硝子ちゃんには言ってるけど、実は音楽をやっていたりする。
「楽しいかい？ 仕事」
「楽しいよ。…でも、そろそろ術師に戻ろうかなって」
◇
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まいとりー。(プロフ) - 紅葉夕さん» 紅葉夕さん、コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます！ すごく嬉しいです。楽しんでいただけてよかったです！！ 文字書き同士、一緒に頑張っていきましょう！！ (2022年8月26日 21時) (
レス) @page40 id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
まいとりー。(プロフ) - マリオットさん» コメントありがとうございます〜！この作品に貴重なお時間を使っていただけて本当に光栄です…。恋愛は書き慣れていないので私自身不安なんですけど、ぜひ楽しんでいただけるように頑張らせていただきます！！ 応援、本当にありがとうございます！ (2022年8月6日 19時) (レス) id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 面白過ぎて…感動です… 応援してます‼ (2022年8月6日 16時) (レス) @page5 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐちや | 作成日時：2022年8月5日 7時
