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「いいんですか?こんなところで…」

「いいんじゃない?あのまま運転してても君が怖いだろう?それに”こんなところ”だなんてお店の人に悪いよ?」

「…申しわけありません」

さっきのが事故にならなくて本当に良かったと安堵する一方で先程の出来事のせいで俺の運転はぎこちなくなっていた。

停車のときは身体が前のめりになるほど揺れ、発車のときはなかなかアクセルが踏めずしどろもどろ…。

情けない。

ただ「敬語をやめない?」と言われただけだったのに。

「コーヒーと、おすすめのケーキを」

「かしこまりました」

俺たちが入ったのは、雰囲気の良さそうなカフェだった。

外にはテラス席があり、今日は天気も良かったのでそちらを勧めてみたが日焼けしたくないし人目を避けたいを言われ、今はカフェの一番奥の席に座っている。

「そんなに嫌だった?」

自分の失態に反省していた俺は顔を上げと、頬杖をついた彼がため息をつきながら俺を見ていた。

「…何がです?」

「敬語やめてっていうの」

「いえ…そんな――――」

「そんなことはない?」

「え?」

「だったら、そうしてみてよ」

俺が黙っていると、綺麗な唇の端をつりあげる。

「それとも、僕にそれ以外のプレゼントでも用意してるの?」

今日は彼の15歳の誕生日だったのを俺は久々に思い出した。

本当なら屋敷でパーティを開く予定だったにもかかわらず、誕生日一ヶ月前になると何故か俺とふたりだけででかけたいとい言い出し、朝からのパーティを取りやめ、そして今に至る。

使用人たちは彼の下に仕えるものであり、そんな俺達からプレゼントを渡すだなんて滅相もないことだった。

例えばそれがプレゼントになるとしても、敬語をやめたらまた執事長になんて言われるか…。

そんな風に考えていると、眼の前の彼がかすかに笑みを浮かべるのがわかった。

「君は顔に出やすいね。もちろん家に居るときは今まで通りでいいよ。執事長に怒られるのが嫌なんだろう?」

彼は俺の思っていることを簡単に言い当てたのだった。

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(プロフ) - かなじぃぃいいい(´;ω;`) (2019年8月17日 14時) (レス) id: c2ed0d0fa9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オチャネコ | 作成日時:2019年3月20日 19時

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