episode 12 ページ12
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Taiga side ＿
樹がトイレに行った隙にAちゃんの連絡先を聞いた。
普段俺から聞くことなんてないけど、
なんだか今日を逃すともう会えない気がして。
また会いたいと思ってしまった。
こんな感情抱いたことなかったのに急にどうしたんだろ。
合コンの終わり頃、樹がAちゃんの連絡先を聞いていた。
心做しかAちゃんも凄く嬉しそうで。
樹がAちゃんの頭を撫でると、幸せそうな顔をした。
こんなに腹が立ったのはいつぶりかな。
なんでこんなにイライラしてるのかは分からない。
分からない、でも、このまま離れるのは嫌だった。
今すぐにでも帰りたいと思ってたのに、
Aちゃんとは離れたくなくなっていた。
2軒目に誘うと戸惑いながらOKしてくれた、可愛い。
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2軒目に着いて、Aちゃんは俺と距離をとる。
こっちにおいでと呼んでも来てはくれない。
その距離が凄くもどかしかった。
樹には頭を撫でられてたくせに。
俺は自らAちゃんに近付いた。
グラスに入ったお酒を飲んでいると、横からの熱い視線。
こんなじっと見詰められて緊張したのは初めてかも。
もっと俺を見てほしい、俺だけ見てほしい。
Aちゃんの手を取り俺の顔に手を当てた。
酔っているせいか熱くて心地よかった。
「 俺の綺麗な顔見てなに想像してた？ 」
『 なにって… 別に、綺麗だなぁって 』
「 ふうん、」
それだけかと、少し寂しくなった。
Aちゃんは一気に水を飲み干した。
その唇がやけに艶っぽくて。
「 ねえ、」
思わずキスをした。
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作者名：しろ | 作成日時：2023年9月14日 1時
